お兄ちゃんと視線 ページ21
夏樹があまりにも泣くものだから
涙を拭くどころか顔を洗う羽目になった
少し長めの前髪を
私のクリップで止めて洗っている
食べ物以外の物を
勝手に使われることに関しては
私はあまり怒らない
まだぐすぐすと聞こえてくるけど
流石に全部お世話するのは
やりすぎだと思うから
放置してご飯を食べる
と言ってもあとコーンスープだけだけど
「あ、そういえばA。昨日お母さん嬉しかったよ」
「ん?なにが?」
「ビーフシチューよ。玉ねぎ多く入れちゃったから残すと思ってたんだけど綺麗に食べてくれてたから」
「え”…あ、あ〜…ビ、ビーフシチューね!」
「……お前が、野菜食ったの?」
「だったらなに」
「ハッ、そりゃ大雨にもなるわ」
「玉ねぎくらいは、ね。うん」
「……お前ほんとに食った?」
「……」
なんで嘘ってこんなにバレるのだろうか
もちろん私はビーフシチューなんて食べてない
春樹と夏樹が食べてしまってたから
この朝ごはんが昨日のお昼ぶりの食事だ
玉ねぎが沢山入ってたなんて知らなかったし
怪しむ賢二郎の目線が痛い
でももしここでバレたら
きっと春樹たちがまた雷を落とされる
少し責められただけであんなに泣くのに
今日はもう十分ではないのか
だからバレないようにしないと
__そう思えば思うほど上手くいかない
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ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ますもも | 作成日時:2023年10月22日 3時