お兄ちゃんと妹【白布賢二郎】

お兄ちゃんと慰め ページ20

　
　
　
　
「もういいよ、賢二郎」




「はぁ？いつもしつこい癖に…なに、急に」




「2人が食べたのは知ってたもん」




「……は？」




「昨日のうちに私が叱ったからもう怒らなくていいよ」




「いや、は？」




「2人ともこれに懲りたらもう勝手に人の物食べないの。分かった？」






泣くのを我慢したかったみたいだけど




賢二郎が怖くてやっぱり泣いてしまった夏樹は




男の子には申し訳ないけどやっぱり可愛い




涙を拭くついでにほっぺたプニプニしてやった




いつもなら嫌がるけど今は許してくれるみたいだ




されるがままの弟はやっぱ可愛い






「お前甘すぎ。だからこんなにワガママに育ったんだよ」




「しょうがないじゃん。だって可愛いんだもん」




「どこがだよ。クソガキだろ」




「お、俺にーちゃん嫌い！」




「俺も！俺もにーちゃん嫌だ！」




「あっそ。俺もお前らみたいな身勝手な奴は嫌いだよ」





「もー、またそうやっていじめる」






今でこそにーちゃん嫌いと言いながら




この双子は何かと賢二郎が大好きだ




俺も嫌いだよという言葉に




思いのほか傷付いたらしく




夏樹の方はもう大号泣だ




訳の分からない顔になっている




春樹もつられてポロポロし始めている




こんな可愛い弟を泣かせて




コイツは罪悪感とか無いの？






「はいはいそんなに泣かないの。目が腫れちゃうよ。ほら、歯磨きしておいで」




「Aは随分お姉さんらしくなったんだなぁ。前までありんこサイズだったのに」




「カメムシだろ」




「ねぇそろそろすり潰すよ？」
　
　
　
　
　

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