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妹と気まぐれ ページ11

 
 
 
 
小物作りが趣味の母のせいで




自室の部屋の扉には




”A・賢二郎 ”




という木の表札が引っかかっている




随分前に外してくれと頼んだが




この方が可愛いからと




聞く耳を持たれなくて諦めた




おかげで同級生を家に招く時とても困る




その時だけ外して机の引き出しにしまっているのは




許して欲しい




のぶを捻って中に入れば




嫌でも目に入る勉強机とでかいベッド




そこそこ広い部屋のはずなのに




どれもあの妹と共同で使うようにと




置かれている家具にいつも腹が立つ




19時をすぎた部屋は真っ暗で何も見えない




ドアの横の電気をつけようとすれば




布の擦れる音がした






「……スースー」




「……おい、…寝てんのか?」






制服のまま寝るほど疲れていたのだろうか




俺に似た直毛の髪がパサりと垂れる




規則的な呼吸を繰り返す妹に




なんとも言えない感情が湧いた






「…怖い夢見ても一緒に寝てやらねぇぞ」






ボソッと呟いたところで




コイツには到底届くはずもない




腰掛けていたベッドから離れて




汗臭い服を脱ごうとすると




うるさい足音が2人分こちらに向かってきた






「にーちゃん!!ご飯できた!!!」




「ねーちゃん!!飯できたよ!!!」






双子は似ると言うが、本当らしい




最近は自分でもどっちがどっちか分からなくなる




最近の判断基準は声だ




でも今はその大きい声も控えてもらわねばならない






「シー…ねーちゃん寝てるから、声抑えろ。
飯は先に食べとこ。」




「疲れて寝たの?」




「先に食べるの?」






この双子は




何かと甘やかしてくれる優しい姉が大好きだ




いつもねーちゃん、ねーちゃんと




後ろをついていく






__”まって!おにーちゃん!”




__”もー。はやくしないとおいていくよ、A”






あぁ、嫌なことを思い出した




無理やり忘れるかのように




ドアを乱暴に閉めた




布団をかけ直してやったのは




ただの気まぐれだ
 
 
 
 
 

お兄ちゃんと最低限→←妹と疲労



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ぬぬ - ウインナーのくだりで察してしまい吹きました、、 (12月19日 16時) (レス) @page17 id: 74e0460151 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ますもも | 作成日時:2023年10月22日 3時

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