Fischer's・ウノ 3

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モ「その話しない方が良かった？動画カットする？」

ウ「いや、話すこと自体はいいよ。ただ内容変えちゃったから。」

変えた？え、俺変えちゃった？

ウノからのバレンタインだししっかり覚えてるつもりだったんだけど。


モ「え、なんか違う？」

ウ「お菓子、あれ私が作ったやつ。誰かから貰ったやつじゃない。」

モ「…ほら！やっぱりじゃん！なんで嘘つくの」

ウ「だって…」


気まずそうに目を泳がせるせいで、さっきまでのシルクたちとの会話がよぎった。

【飴 意味は好き チョコマシュマロ 純白の愛】

これってやっぱり、自惚れてもいいのだろうか。


ウ「バレンタインのお菓子に意味があるの、知ってる？」

モ「え、あ、うん。ついさっき知った。」

ウ「まぁ知らないってわかっててあのお菓子渡したんだけどね。」

モ「まぁ、だろうね。」

ウ「あー、そのさ、」

モ「はい。」


ブカブカの俺のパーカーの裾を握りながらあーとかうーとか唸ってるウノ。

すると、さっき取りだしたお菓子を握りながら言った。


ウ「魁さん。」

モ「…はい。」

ウ「あの時のお菓子の意味、分かってますか。」

モ「……まぁ、はい。合ってるなら。」

ウ「…引きましたか。」

モ「全く。」

ウ「…なら、今年はこれあげる。」


そっと差し出した袋に入っていたお菓子は


ウ「あ、早めに食べてね。」

モ「……バームクーヘン？」

ウ「あれ、知らない？これの意味。」

モ「え、飴とマシュマロしか知らない。」


それを聞いた途端に、安心したかのように笑い出すウノ。

え、なに、これも変な意味あるの？？

教えてと頼んでも嫌だとしか言わない。


モ「ねぇ教えてよ、これの意味」

ウ「やーだよ。あ、調べるのなしね。そのままぐるぐる悩んじゃえ！」


いたずらっ子みたいに笑ってマサイたちの元へ戻って行ったウノ。

高2の時の、ご飯を作りに消えたあの時と姿が重なる。

もしかして、またこのお菓子の意味がわかるのは数年後とかじゃないよね？

可愛くラッピングされた袋を握って俺もリビングへ戻った。

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