お兄ちゃんと妹 4 【白布賢二郎】

お兄ちゃんと叔父さん ページ45

　
　
　
　
｢｢着いたーー！！｣｣




｢着いたねー、ほらリュックちゃんと持って｣




｢はーい｣




｢なんでねーちゃんはゴロゴロのやつ？｣




｢んー、おばあちゃんへのお土産のためかな｣






ゴロゴロのやつ、とはキャリーケースのことなんだけど




たまに名前忘れるらしいからゴロゴロで通してる




つか高校生と小学生の荷物の量を同じだと思うな？




服のサイズも違うし何より女子はかさばるの




はしゃいで走り回る双子を両手に抱えて




迎えに来た叔父さんの車に乗り込んだ






｢Aちゃんおっきくなったねー、もうお姉さんだ。｣




｢それ中学になった時も言われたよ｣




｢あれっそうだっけか？笑 というか、賢ちゃん(賢人)と賢くん(賢二郎)は？｣




｢やだ、この前電話したでしょ？賢人は仕事だし、賢二郎はバレー部が忙しいから来れないわよ｣




｢え、聞いてないよ｣




｢いーえ絶対言いました。｣






お母さんとお母さんの兄の会話は




私と賢二郎とはまるで違くて




お互いが嫌味も妬みも含んでない素直な言葉で話すから




軽い言い合いや不穏な空気を漂わせることはあれど




私達のような掴み合いの喧嘩や




冷戦状態になってるところなんて見たことない




あいつも叔父さんくらい妹に優しかったらいいのに






｢そっかそっか、賢ちゃんも賢くんも来ないのかぁ……じゃあAちゃん子の数日間寂しいね！｣




｢なんでよ！｣






前言撤回、叔父さん全然優しくなかった。




別に寂しくないもん。
　
　
　
　

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