お兄ちゃんと妹 4 【白布賢二郎】

お兄ちゃんと荷造り ページ44

　
　
　
　
　
　
｢ねーちゃんねーちゃんっ！俺しぶや？行きたい！｣




｢ねーちゃんねーちゃんっ！俺あさくさっ！！｣




｢お姉ちゃんよりよっぽどJKみたいなこと言うじゃん｣






双子がここまではしゃいでいる理由




それは毎年の夏休み恒例行事である




母方の親戚が住む東京への帰省が楽しみだからだ




色違いのクルマ柄のパンツを振り回しながら




観光名所の名前をあげる双子は可愛い






｢ねーちゃんは？｣




｢どこ行きたいの？｣




｢えー、そうだなぁ…秋葉原とか？｣




｢どこそれ｣




｢お店？｣




｢あ、そこは知らないんだ｣






賢二郎や兄さんは部活と仕事で来ないから




弟のお守りは私がすることになる




それは別に構わないけど




このはしゃぎまくる弟を見ていると1つ懸念が生まれた






｢いーい？お姉ちゃん連れずにどっか行ったらダメよ。東京の人口密度やばいんだからね。迷子になんてなったら探し出してあげられないよ｣




｢わかってる！｣




｢迷子ならない！｣




｢んー可愛いね！いいこ！｣






頭を撫でようと腕を伸ばすと走って逃げられた




くっそー、ちょっとくらいいいじゃんか




そう思いつつ自分も荷物をまとめた






｢東京かぁ……はっ、イケメンいたらどうしよ。｣






私も少しだけ楽しみになった
　
　
　
　
　

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