お兄ちゃんと妹 4 【白布賢二郎】

お兄ちゃんとそういうこと…？！ ページ39

　
　
　
　
｢A、俺のタオル……｣




｢あっちのカゴの中！｣




｢爪割れたから絆創膏……｣




｢救急箱から取って！｣




｢変えのシャツ部屋に忘れ……｣




｢取ってきたから向こうで着替えて！｣






｢どしたの？あれ｣




｢Aちゃんが賢二郎といかがわしい関係って疑われたのが恥ずかしかったみたい｣




｢あれま。好き避けみたいだね｣




｢本人の自覚ないけどな｣






青葉城西との試合も上手く進んで




あとは片付けだけになったと言うのに




賢二郎が今日という日に限って声をかけてくる




タオルだとかシャツだとか




そんなの自分でどうにかして欲しい




必死に最低限の会話で終わらせているのに




天童さんたちはそれを｢好き避け｣とか言い出すし




私の恥ずかしさのキャパはとっくに限界を超えていた




早くお風呂入って寝てしまいたい




……そんなこと考える時ばかり上手くいかない






｢思い出大会〜！｣




｢……はい？？｣




｢賢二郎とAちゃんの思い出知りたいなぁと思ってね｣




｢存在しないので寝ていいですか｣




｢そんなこと言っちゃって良いのかなぁ？教えてくれないなら…及川にこの写真送っちゃうけど？｣




｢写真？って…わあああああああ！！なんですかその写真！いつ撮ったんですか！｣




｢えっ、合宿中だけど｣






天童さんの差し出す写真は




(何故か)賢二郎に抱えられている私

(何故か)賢二郎とくっついて寝ている私

(何故か)賢二郎に擦り寄っている私




地獄だった






｢……なんでも話すのでそれだけはやめてください｣




｢何から聞こうかなぁ、やっぱ小さい頃かなぁ、でも中学時代も聞きたいなぁ｣




｢(やっぱこの人キライ！！)｣






ぞろぞろと周りに天童さん以外の人が集まってきて




私は眠れないことを覚悟した




勉強していた賢二郎も目が点になっている




さよなら、私の羞恥心




こんにちは、私の黒歴史




せめて、聞いてくる内容くらいは可愛くありますように













｢んーじゃまず、Aちゃんの初恋ってやっぱ賢二郎？｣

｢このゲスブロ！！！！！きらいっ！｣

｢あは、言うと思ったー｣
　
　
　
　
　
　

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