お兄ちゃんと代替品 ページ36
「え、青城ですか?」
朝練中のみんなのドリンクを作り終わったあと
監督に呼ばれて話を聞くと
今日の昼から夕方にかけての練習試合の相手は
青葉城西高校だと知らされた
その高校名を聞いて頭に浮かぶのは
非常に苦手なあのチャラい3年生
牛島さんに何度戦っても勝てないからって
やたらと白鳥沢のみんなへの当たりが強いと聞いた時から
ますます苦手意識が高まっている
「向こうは12時丁度に来るらしいから、門まで迎えに行ったらここまで連れてきてくれるか。その後は五色に対応させる」
「わかりました。青城のゼッケンとタオル用意しておきますね」
うちに次ぐ強豪なら人数も多いだろうと思い
多めに準備を進めると早くも時刻は11時50分
そろそろ門へ迎えに行っておこうと体育館を出た
「あー!Aちゃん♡」
「……こんにちは、及川さん。」
「なんでなんで?夏休み中だよ?もしかしてAちゃんも部活してるの?」
「少しの間だけ男バレのマネージャー引き受けてるんです。賢二郎の妹だからって」
「賢二郎…?どっかで聞いたな…あぁ、俺の代替品くんか!」
「……は?」
代替品ってなんだっけ
代わり、とかそういう感じの意味だよね?
賢二郎が?及川さんの代わり?
その言葉を聞いた瞬間に自分でも驚く程に体が冷えた
「牛若の野郎、たまに出くわす度にうちに来いうちに来いってしつこいんだよねー。俺の代わりとか大変だと思うけど頑張れって伝えて……」
「少なくとも賢二郎は、」
「ん?」
「あなたみたいに牛島さんを見下す言い方したり、失礼な態度取ったりしません。賢二郎の方が優れている部分は沢山あります。代わりだとか冗談ならセンス無さすぎですよ。」
「え……あ、いやごめんそんなつもりは」
「そんなつもりないならもっと失礼ですよ。仮にも人の家族を代替品とか言って格下扱いしないでください」
「……スミマセン」
「体育館まで案内します。広いので迷わないようにしてくださいね」
本当に軽い冗談のつもりで言ったからだろうか
及川さんはしょんぼりとした顔をしていた
けど私は謝る気は無いしむしろ謝られる方だろ
人の兄をバカにするな
私のプレーをすごいと言うなら
私よりすごい賢二郎のプレーはどうなるんだ
もっと考えてから物言えこの顔だけ男め
若干の苛立ちを態度に漏らしつつ体育館に案内した
私の顔を見た五色くんがビビっていて
ちょっと申し訳なく思った
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りりあ(プロフ) - 最近あまり更新されなくて待ちくたびれてました!すごく面白いです。新作の方も面白いです☺️ (4月1日 23時) (レス) @page39 id: befa00a738 (このIDを非表示/違反報告)
さおん - とても面白いです!更新頑張ってください応援してます!! (3月17日 20時) (レス) @page33 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - あっははは!!いくら白布くんでも男子高校生ですもんねっ!思わず笑ってしまいましたwww私この作品大好きなんです!!頑張ってください!応援してます!! (3月13日 21時) (レス) @page32 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - コメント失礼します。1、2ヶ月まえから愛読させてもらってます🫶🏻続き待ってます!更新頑張ってください‼️‼️‼️‼️🔥💪 (3月12日 22時) (レス) @page32 id: befa00a738 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 初コメ失礼します……!新作見たくない訳が無いですよ!!めっちゃみたいに決まってます!!!! (3月8日 18時) (レス) @page19 id: af2138c32b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ますもも | 作成日時:2024年2月4日 17時