お兄ちゃんと妹 4 【白布賢二郎】

お兄ちゃんと番外編のバレンタイン ページ4

　
　
　
　
｢白布！オレ…今年はお前以外からは受け取らないから！｣




｢…うん？なにを？？｣




｢焦げてても割れてても萎んでても！なんでも受け取るからな！｣




｢え、まってまって、なにを？？｣






一方的に叫んでどこかへ去っていった




同じクラスの伊藤くん




そういえば先週友達が彼に告白して振られていた




その前は友達のお姉ちゃん




そのさらに前には賢二郎のクラスにいた女の人




そこそこモテるみたいだね彼は




ただ今の行動で私は何故彼がモテるのか分からなくなった




顔だけならまだしも中身不思議くんだぞあれ




受け取るだとか割れてる萎んでるだとか




せめて主語がないと会話成り立たないんだけど




そんなことを考えてつい渡り廊下の真ん中で




ぽかんと立ち止まってしまった




ほんの少し背中に宇宙を背負っていたせいか




周りからの






｢あれが…伊藤くんの本命…っ｣

｢うそでしょ……むり…もうカップケーキ作っちゃった…｣

｢あの子って白布くんの妹…？？｣

｢そ、そんなにかわい……くなくも無いかもしれないけどそこまでいく！？ほかからは受け取らないとか…っ！！｣






こんな羨望の声は聞こえなかった
















　










　







｢賢二郎は？今年は何個貰えると予想する？｣




｢……そんなの考えたこと無かったです｣




｢エ！？賢二郎毎年腕いっぱいに持ってるじゃん！？それにAちゃんから貰ったりは！？｣




｢あ〜、賢二郎意外とモテるよなぁ……意外と！！！！｣




｢何だよ…俺より牛島さんの方が貰ってるだろ｣




｢若利クンはラブじゃなくてライクとかファイトのチョコだから｣




｢いいなぁ、俺もAちゃんから貰いたい｣




｢……そんな特別美味しくないと思うけど｣




｢貰えるだけいいジャーン｣





｢…そうですか？｣






そんな会話ももちろん知らない
　
　
　
　
　

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