お兄ちゃんと妹 4 【白布賢二郎】

妹と可愛い？ ページ29

　
　
　
　
｢おー、白布おかえ……り？｣




｢…一応聞くけど、なんでAちゃん連れてる？｣




｢食堂で寝落ち、ルームキーない、放置できない、以上｣




｢｢あぁ……｣｣






後ろからげらげらと笑う天童さんと




若干苦笑いの五色が入ってくる




去年までは学年ごとに部屋が別れていたけど






｢せっかくならレギュラーのみんなと寝たいじゃん？｣






などと天童さんが言ったせいで




この部屋には3年生もいて気まずい




牛島さんと同じ部屋なのは嬉しいけど






｢にしてもぐっすりだねェ…疲れてたのかな｣




｢こいつにしては動いてたんで、まぁ｣




｢可愛いと言われているAちゃんの寝顔が見放題とか合宿最高じゃん｣




｢そんなにいいもんでもないだろ｣






眠ると幼い顔になるAは




いつも思うが高校生というか中学生みたいだ




これを言うと怒るから言わないけど




立ちっぱなしも疲れるのでAを抱えたまま




敷かれた自分の布団の上に胡座をかくように座って




その膝の上にAを抱え直した




動かされたのが不満なのか




また｢んう”…｣と唸って胸板を叩いてきた




投げ飛ばすぞこら






｢Aちゃんって、普段はお姉ちゃん感強いのに賢二郎の前だと途端に妹感が満載になるよねぇ｣




｢それ俺も思ってた！白布の妹とは思えないくらいいい子で羨ましいわ｣




｢賢二郎、Aちゃんの可愛い妹エピソードないの？｣




｢……可愛い？ないですね｣




｢いや1個くらいあるでしょ。ホラー映画見たあとは賢二郎とくっついて寝る！とか笑｣




｢……………。｣




｢えっ、否定しないの？事実！？｣




｢……金ローでゾンビ系見たあとはくっついて来ることはありましたけど｣




｢え、可愛い。他は？｣




｢なんかあるでしょ｣




｢ないですよ｣




｢絶対ある思い出して｣






俺の胸元で寝息を立てる妹は




馬鹿みたいに安心しきった顔で寝ていて




周りは男だらけで、何より俺も男なのに…と思った




意識なんてクソほどしていない事実に何故か腹が立って




腹いせに昔話を沢山してやった




これでこいつは明日恥ずかしさで




縮こまりながら過ごすだろう
　
　
　
　
　

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