妹と勉強会 ページ3
「何回同じところ間違えんだよ。五色お前もだぞ」
「だって訳わかんないんだもん。こさいんってなに」
[ちがうよ白布さん!こさいんじゃなくてさいんだよ!]
「tanだよバカ」
「アルファベットやめて…」
一瞬芽生えた良くない気持ちをかき消すために
片手で五色に電話をかけた
ワンコールで出た五色に
初めて良くやったと褒めてやりたい気持ちが芽生えたが
調子に乗らせるのも癪に障るのでやめた
そしてこのバカふたりにsin cos tanについて
この俺が特別に授業をしてやってるのに
まるで成長しない
五色に至っては考えるのを放置し始めた
Aはギリ追いついているだけで
気を抜けば直ぐに寝落ちしそうだ
時計を見ると開始から約1時間半が経過していて
既に時刻は11時を回っていた
明日も普通に学校や朝練があることを考えると
そろそろ寝た方が賢明だと判断して
Aの小さな落書きの跡がある教科書を
パタリと閉じた
「お、怒らないでよ!これでも真面目に頑張ってんだから…」
「は?別に怒ってねぇよ。お前朝弱いし、俺らも明日朝練あるからそろそろ終わりにすんの。」
「え!ほんと!?」
[……やっと終わった…]
「こんだけ教えたのに補習だったら五色お前覚えてろよ」
[ひぇっ…!!]
おやすみなさいと夜にしてはやたら元気な声で挨拶をして
プツリと電話は切れた
視線を横に向けるとそこには
既に充電切れのAの姿
まぁこいつにしては頑張っていた方だと思うし
五色のこともカバーしていたから
いつもなら頭だろうが肩だろうが
引っぱたいてベッドに移動させるが
今日だけは特別に頭を軽くなでて
ウトウトしているAに優しく言った
「頑張ったじゃん。今日はもういいから寝ろ」
「…………ん、ありがと」
ゆっくり机からベッドへと向かう妹は
どうやら本気で疲れてるようで
いつもよりも割増で素直だった
「……またべんきょー教えてくれる?」
「俺には貸し作りたくないんじゃないの?」
「おにーちゃん相手に貸しも何もないよ」
「素直だな。いつもそうなら可愛いのに」
「普段はかわいくない?」
「…………さぁ?」
「…そっかあ」
そう言って目を閉じ意識が薄れているAには
ほぼ聞こえないであろう小ささで呟いた
「……可愛くないこともないよ」
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りりあ(プロフ) - 最近あまり更新されなくて待ちくたびれてました!すごく面白いです。新作の方も面白いです☺️ (4月1日 23時) (レス) @page39 id: befa00a738 (このIDを非表示/違反報告)
さおん - とても面白いです!更新頑張ってください応援してます!! (3月17日 20時) (レス) @page33 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - あっははは!!いくら白布くんでも男子高校生ですもんねっ!思わず笑ってしまいましたwww私この作品大好きなんです!!頑張ってください!応援してます!! (3月13日 21時) (レス) @page32 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - コメント失礼します。1、2ヶ月まえから愛読させてもらってます🫶🏻続き待ってます!更新頑張ってください‼️‼️‼️‼️🔥💪 (3月12日 22時) (レス) @page32 id: befa00a738 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 初コメ失礼します……!新作見たくない訳が無いですよ!!めっちゃみたいに決まってます!!!! (3月8日 18時) (レス) @page19 id: af2138c32b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ますもも | 作成日時:2024年2月4日 17時