お兄ちゃんと優先 ページ16
｢え…………う、写って…ない…？｣
｢こんだけ密着しててどうやって腕のブレスレットなんて確認するんだよ｣
｢あ…ち、ちが…！｣
｢佐倉さん…あんた最っ低ね｣
｢ま、まって…！ちが、これは白布さんで…！！｣
冷や汗をかきながら言い訳をする姿は
全てわかっている人からすると見苦しくて
さっきまで私に牙を向いていたはずの子も
今では全力で佐倉さんを睨んでいる
男子はヤバすぎると小声でつぶやき
女子は輪になって佐倉さんについて話している
まだ5月だと言うのに
佐倉さんはこの1年間が地獄に変わった
｢白布さん、ごめんなさい…一方的すぎたよね｣
｢…んーん、へいきだよ｣
｢大丈夫？｣
｢信じてたよ｣
｢佐倉さん酷いよね｣
｢お兄さん頼もしいね｣
次々とかけられる言葉は
正直都合がいいなと思うものも中にはあったけど
とりあえず疑いが晴れて良かったと心から思った
安心感からか、また視界が潤んできて
涙脆すぎだろと自分で笑えてきたと思ったとき
視界が急にがくんと下がった
｢A…！？｣
｢……あ、れ…？立てな…｣
｢白布さん大丈夫！？と、トイレ？！？｣
｢…五色、監督に今日は早退するって伝えてこい｣
｢え……はい！？｣
どうやら気が抜けたせいで
気負っていたものが全て無くなったもんだから
一気に力が抜けすぎて腰を抜かしたみたいだった
賢二郎があまりにもビビって駆け寄って支えてくれるから
泣いてよかったかもとか思ったりした
目と鼻の先にある賢二郎の服から香る
柔軟剤とほんの少しの汗の匂い
今はこの匂いが落ち着くなんて考えていた時
賢二郎は爆弾発言をした
｢ちょ、賢二郎何言ってんの部活出なよ！？｣
｢そうですよ！今帰ったりしたら…か、監督が…っ！｣
怒ると怖いことで有名な鷲匠監督を思い出して
私と五色君は顔を青ざめる
けれど賢二郎は1年分の経験の余裕があるのか
さも当たり前かのように呟いた
｢部活より
｢な……｣
｢え………｣
五色君も流石に固まって返事に困っていると
タイミングを狙うかのように賢二郎が耳元で囁く
｢もう立てそう？｣
コクリと頷くとゆっくりと立ち上がらされ
私の腕を掴んでは五色君を素通りして教室を出た
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りりあ(プロフ) - 最近あまり更新されなくて待ちくたびれてました！すごく面白いです。新作の方も面白いです☺️ (4月1日 23時) (
レス) @page39 id: befa00a738 (このIDを非表示/違反報告)
さおん - とても面白いです！更新頑張ってください応援してます！！ (3月17日 20時) (レス) @page33 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - あっははは！！いくら白布くんでも男子高校生ですもんねっ！思わず笑ってしまいましたwww私この作品大好きなんです！！頑張ってください！応援してます！！ (3月13日 21時) (レス) @page32 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
りりあ(プロフ) - コメント失礼します。1、2ヶ月まえから愛読させてもらってます🫶🏻続き待ってます！更新頑張ってください‼️‼️‼️‼️🔥💪 (3月12日 22時) (レス) @page32 id: befa00a738 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 初コメ失礼します……！新作見たくない訳が無いですよ！！めっちゃみたいに決まってます！！！！ (3月8日 18時) (レス) @page19 id: af2138c32b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ますもも | 作成日時：2024年2月4日 17時
