貴方が好きです。【白布賢二郎】

18話 ページ20

　
　
　
　
『わ…相手の選手も大きい…』






遂にやってきた週末の土曜日


今日は待ちに待った練習試合の日だった


全国大会常連校の白鳥沢の練習試合だからだろうか


ギャラリーが女バレとは比べ物にならないほど多い


存在感が薄めの私一人だとあっという間に人の波に飲まれてしまう


腕に抱えた紙袋を潰さないように気を付けることで今の私は精一杯だった。








｢おっ、出て来たな〜ウシワカ！｣

｢やっぱ一番注目度は高いよなぁ｣

｢ミドルブロッカーにも注目だろ｣

｢1年生でスタメン入ったやつがいるんだってよ｣








ギャラリーが噂する会話の中にはどういうわけか白布くんはいなくて


個人的には1番注目した方がいい選手なのに…と思った。


ネットの半分を使ってアップをしているみんなは、真面目で真剣な表情だからやっぱりすごくかっこいい








｢ねぇねぇ、あのセッターカッコよくない？｣

｢ホントだ！クールな人タイプなんだよね〜｣








そんな言葉ばかり拾ってしまう私は、ほんとに心底 白布くんが好きなんだと実感した








『……私の方が好きだもんねーだ』








到底聞こえるとは思わないけど観客席からネット間際の白布に向けて
密かに応援の声を送った
　
　
　
　
　

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