11話 ページ13
やっとくじを引く人が残り数人になった時、吉田くんはいたずらっ子のような顔をして言った。
「俺さ、メガネかけてるけどほんとは目は良いんだよ」
『え、そうなの?』
「これ伊達だから」
『オシャレメガネってやつか』
「イケメンになりたくてね」
『動機がすごい』
吉田くんが縁に手を当ててクイッとあげる姿は、確かにすごく様になっている。
吉田くんはどうやら視力だけでなく観察眼も良いようで
メガネが気になっている私に気がついて「かけてみる?」とメガネを差し出した
『え、いいの?こういうメガネかけたことない』
「普段どんなメガネなの?」
『黒縁丸メガネ』
「あー付けてそう」
『雰囲気ある?』
「めちゃくちゃ」
差し出されたメガネを両手で受け取って、メガネのレンズに指紋がつかないように耳に引っ掛ける。
吉田くんのメガネは私が使っているメガネよりも少し軽めで、なんだか頭が良くなった気分だった。
「頭良くなった〜とか思ってそう」
『え!なんで分かるの』
「顔に出てた」
『私そんなにわかりやすいかな』
「かなりね」
特に顔に出しているつもりはないんだけど、私はみんなにわかりやすいと言われることが多い
吉田くんは顔に書いてあるとまで言うのでほっぺたを軽く引っ張って表情筋を崩した
「なぁ白布、お願いあるんだけど…コレだめ?」
「………あぁ、いいよ」
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柚宇 - とっても面白そうです!続き楽しみにしてます! (3月6日 16時) (レス) @page3 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハナ - 気になります!続き!楽しみにしてます! (3月5日 17時) (レス) @page3 id: 137f80559f (このIDを非表示/違反報告)
名無し42761号(プロフ) - 続きが気になります!!!がんばってください!! (3月4日 22時) (レス) @page3 id: e8c8cf9499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ますもも | 作成日時:2024年3月4日 22時