Fischer's・ウノ 2

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クローゼットに放り込まれたはいいものの、種類が多すぎて自分ひとりじゃとても選べない。

適当に目に付いたもの手に取るけど、いかんせん一つ一つが重い。

だから確認するのにも時間がかかる。

そんな時、ふと視界の端に朱色が見えた。

自分のメンバーカラーに敏感になるのは仕方の無いことだと思う。

そっちの方へ目を向けると、朱色と言うよりはオレンジ色の…いや、もっと薄いパステルオレンジの清楚系ドレスがかけてあった。

レースにはラメ入ってて普通に可愛い。

みんなの衣装はピンクとか赤とか、メンバーカラー入ってたし、なにより白色選ぶと結婚式みたいで嫌だし。

他のドレス見てもオレンジっぽいのはこれだけで、他は青とか紫とかばっかりだったから、これに決めた。

ドアを開けると女性スタッフさんが1人から12人に増えてて、普通にびっくりした。

着ていた私服を剥ぎ取られ、何故か下着すら変更されながらドレスを着せられた。

まって、ドレスってこんな重いの？

全然動けない。無理無理。

軽く歩くくらいしかできない。走れない。

動きやすくするためにはどうしたらいいか考えてたら、ドレスに合わせた色のパンプスを用意された。

まって、高くない？

私普段でもそんな高いの履かないよ？

用意されたものは仕方ないから履くけどさ。

予め履かされたストッキングのおかげでスルスルとはまる靴。

なんでサイズ知ってるの。怖いよ。

高くてコケないかなって不安になってたら今度はいつの間にかヘアセットが始まってた。

髪は長いからアレンジのしがいがありますって笑顔向けられたけど、そりゃ良かったですとしか言えないんだけど。

手先が器用なのか、スルスルと編み込んでいく。


ウ「すごいですね…これなんて髪型ですか？」

「私はゆるふわハーフアップ編み込みって呼んでます。ウノさん、髪の毛とっても綺麗だからやりやすいです。整髪剤は使わないので安心して下さいね。」

ウ「あぁ、お気遣いありがとうございます。鼻がいいもので…」

「花粉とか大変そうですもんね」

ウ「もう大変ですよ笑」


女子トークで盛り上がっていくと、フォローに入ってた他のスタッフさんが髪飾りを選んでくれって言ってきた。

クリスタルフラワーベッドバンドとかカチューシャピンとか、フラワーピンとか色々あったけど、1番気になったのはパールのヘッドバンドだった。

痛くないですか、って最終確認が終わったと思ったら今度はメイクが始まった。

長くなるな、これ。

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