お兄ちゃんと妹 3 【白布賢二郎】

お兄ちゃんと寝不足 ページ43

　
　
　
　
｢おはよー｣




｢あ、A！おは……え、どしたの。クマ酷いよ｣




｢やっぱ隠せてない？これでも結構コンシーラーしたんだけど…｣




｢隠せてないね。ひっどいよ？なんかこう…NARUTOの我愛羅みたい｣




｢そんなにか｣






あの夕食の後




賢二郎はずっとくすくすと笑っていて




それに耐えきれなくなった私は




掻き込むようにハンバーグを食べて




双子が脱衣所から出てきたのと




丁度入れ替わるようにお風呂へ逃げた




その後も髪の毛を乾かすことなく布団に潜った




いや、潜ろうとした






｢濡れたまま寝るなって言ってんだろ。風邪ひく｣




｢い、いいもん。｣




｢俺が困るんだよ。ほらこい｣




｢や、やだやだむりむりむり触んな！！｣




｢なに照れてんだよ。やっぱ俺のこと好きだな｣




｢だから違う！！｣




｢はいはい。照れ隠し下手くそだなお前｣






ルームウェアに着替えてタオルドライをしたあと




布団をはぎ取って中に潜ろうとした瞬間




勉強していた賢二郎が髪の毛を乾かせとうるさくなった




もちろん無視したかったけど




照れ隠しだなんだと言われてしまってムキになって




乾かせばいいんでしょとドライヤーを片手に取った瞬間




賢二郎がそれを奪い去って一言プツリと呟いた






｢“貸せ、乾かしてやる”！？！？そう言われたの！？｣




｢……うん｣




｢キャー！！何その素敵すぎるお兄ちゃん！！交換してウチのクソと！！｣




｢ど、どこが素敵なの！？いつもならあんなこと言わないししないくせに気持ち悪くて仕方ないんだから！！｣




｢えー？でも乱暴されるわけじゃないし良くない？｣




｢乱暴は嫌だけど…でも…｣




｢それにAってお兄さんのこと好きじゃん。なんの問題もなくない？｣




｢……はい？｣




｢ん？｣




｢いや、兄だよ！？血繋がってる本物の兄だよ！？｣




｢え、別にそこまでおかしくないでしょ。私も小さい時はお兄ちゃんと結婚したかったもん。…小さい時は。｣




｢いや、ないない｣




｢えー、私がAなら本気でお兄ちゃんと結婚考えちゃうけどなぁ｣




｢いや法律的に無理だから！｣




｢愛あれば関係ないっしょ 笑｣




｢ありまくるわ！｣






ニヤニヤと賢二郎と似た顔をしながら




からかってくる友達を否定しながら




自分の席に着いて面倒くさそうな話を始める担任を




スルーしながら半分夢の世界へ旅立った
　
　
　
　
　
　

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