お兄ちゃんと妹 3 【白布賢二郎】

お兄ちゃんと混乱 ページ36

　
　
　
　
｢いやぁー！！ごめんごめん！知らなくてさ！｣




｢……もう慣れたので大丈夫デス｣




｢あは、完璧嫌われちゃった。どうしよう白布｣




｢知るか｣






笹部さんにおしりを触られて固まっていたら




その触っていた手を引っ掴んで取り払ってくれたのが




賢二郎だった




双子に説教する時よりも怒ってて怖かったけど




あの賢二郎を前にしても




｢俺にしろ｣と叫ぶ笹部さんの方が




個人的には狂気じみて怖かった




腕を掴まれてからはただの口論大会で




見ているこっちが恥ずかしかった






｢彼女じゃねぇよ妹だよ！！｣




｢そんな漫画みたいな話があるかよ！！｣




｢あるから言ってんだろうが！｣




｢嘘つけ！！｣




｢嘘じゃねぇよ！おい五色！コイツ妹だよなぁ！？｣




｢ひっ、ひゃ、ひゃい！！｣




｢ほら見てみろだから言ってんだろ彼女じゃねぇって！奪うとかなんで俺なんだよとか散々めんどくさい勘違いしやがって！！｣





｢……えガチ？？｣




｢だからそう言ってんだろうが！告白する前に相手のフルネームくらい知っとけ馬鹿！！！｣




｢いやその前に離してくれません？｣






誤解が解けた直後にはすごい勢いで頭を下げられた




勘違いした挙句変なところまで触ってごめん、と




もちろんそこに関してはめちゃくちゃ怒った




おやつ勝手に食べられた時と同じくらい怒った




けどまぁ正直？




賢二郎の妹ではなく何故か彼女と間違われるのは




高校に入ってからは｢何故か｣！




高頻度にあったのでもう慣れていたから




年子の兄妹であると伝え終わったら




賢二郎のイライラも少しマシになっていた






｢……あでも、Aちゃんが好きなのはホントだよ♡｣




｢え”｣




｢なぁ賢二郎ぉ〜。お前の彼女じゃないなら俺が付き合ってもいーよね！？｣




｢はぁ？｣




｢いやいやいや｣




｢え、もしかして嫌？俺結構人気あるよ？｣




｢変態な女にだけだろ｣




｢ちっげぇーし！｣






つきあう、というのは




間違いなく｢突き合う｣ではなく｢付き合う｣の方よね？




ラブレター書いて賢二郎に渡すくらいだし




か、彼氏！？この私に！？嘘！？




情報量に混乱しても時間は刻々と進んでいく




もちろん授業だってもう時期はじまる




けど私は足に接着剤でもくっ付いたように動けなかった
　
　
　
　
　
　

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