お兄ちゃんと妹 3 【白布賢二郎】

お兄ちゃんとお届け ページ34

　
　
　
　
｢はぁあああああああ………｣




｢すっごい疲れてるね。大丈夫？｣




｢これが大丈夫に見える？五色くんよ｣




｢体力落ちたの？｣




｢…………落ちたの｣






家を出てから数分して




間に合わないと察した私は




現役の時ぶりに全力ダッシュして




学校に向かったけど




結果的に言えば遅刻した




でも先生が教室にまだ来ていないから




誰かがチクらない限りはバレない




とりあえず安心はしたけど




その安心のおかげで疲労が一気に襲ってきた




持久走をしたあとみたいに




口の中が血の味でいっぱいだ




もう暫くは絶対に走らないと心に決めた




遅れた原因の一つである誰かさんの弁当は




私の走り方が綺麗なおかげでグチャってはなさそうだ




疲労が想像よりすごくて




3階の教室まで届けに行くのがめんどくさいし




もうなんなら五色くんに行かせようかな




いつもマネ業手伝ってるんだしそれくらいはね？




そう思って声をかけたけど




｢いつも俺にはめっちゃ冷たいから怖い｣




って嫌がられてしまった




後輩に優しくしないなんて最低だなアイツ




結局、着いていくだけならいいという形で落ち着いた




どうせ来るなら渡してくれてもいいのにな




と思ったけど




あくまでも渡す係は私じゃないと嫌らしいので




ケチ前髪！と愚痴りながら




HRが終わってすぐに教室を出て




2年生の教室に向かった




なんで階段上がらないといけないんだよ




つかそもそも忘れた人が取りに来いよ




なんで私が…とブツブツ言いながら




2-4のドアから中を覗いて




兄(アイツ)を探した
　
　
　
　
　

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