お兄ちゃんと妹 3 【白布賢二郎】

番外編とご挨拶 ページ33

賢二郎side





｢おいA？｣




｢………………ｽｰ｣




｢A寝ちゃった？賢二郎運んでくれる？｣




｢あ、うん｣






寝ないと張り切っていた妹は




あれから数分で力尽きた




腹を軽く叩けば眠るのは知っていた




眠くなると不機嫌になりがちなAは




数回叩くだけで声が小さくなっていった






｢A、ちょっと首上げろ｣




｢……んぅ、やら……｣




｢やだじゃない。リビングで寝るか？｣




｢……ぇんじろは？｣




｢部屋に戻る｣




｢ん、つれてって｣




｢だから連れてくから首上げろって｣






眠たいせいで体が重いのか




首ひとつ持ち上げるのにも時間がかかるらしく




幼稚園の時の昼寝を思い出すスピードだ




痺れを切らして首の下に腕を入れて




Aの片腕を自分の首に回す




俺がどうやって運ぼうとしているのかを察したのか




地味に嫌だと抵抗してくるが




力が弱いので無視して膝の下にも腕を通す




正月太りをしたと嘆いていたから




重さを覚悟したけどそんなに重くなくて安心した






｢ん、着いたよ……おいA離せ｣




｢ん〜…………｣




｢おいって｣






首元のシャツを握って離さないせいで




変に屈んだままの体制になって地味に辛い




結局離させるのは諦めて




とっとと眠ることにした




いつもよりも数倍距離が近いが




妹相手に変に緊張なんてしない




下手すると布団は奪われかねないので




首元までしっかり毛布をかけて




顎のすぐ下にある小さい手の感覚に




少し懐かしさを覚えながら眠った




新年の挨拶は




どうやら今年も朝になってからすることになりそうだ







番外編 Fin






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いつもこの作品を読んでくださる読者の皆様、
新年明けましておめでとうございます。

新年早々、地震や火事で大変な方も中には
いらっしゃるかもしれませんね。

そんな方々のほんの少しの楽しみになれればと思い、
番外編を書かせて頂きました。

2024年(今年)も【お兄ちゃんと妹】を
どうぞよろしくお願いします


作者
　
　
　
　

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