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77:一代目との約束 ページ38

________いい付き人を持ったんですね、盗一さん


そう心の中で呟く


でも…………どうやら息子に相棒を 選 ん で あ げ る 目はあまりよくなかったですよ


もっといい人を選ぶべきでした


あぁ、もう嫌だ


情報屋なんて碌でもない職業、就かなきゃ良かった


普通に高校生活を送っていたら、普通に卒業して、平和に暮らせたのに


大切な人が、私への怨みを持った人たちに傷つけられることも無かったのに


「……ごめん、ごめん快斗________________私はあなたの事を忘れるから、貴方も私の事なんか忘れて」


私は最後に快斗にそう告げて、椅子から立ち上がる


そしてメモとペンを取り出し、メモに簡潔に教えておかないといけない事を書き綴り、それを快斗の手の横に置いた


ふと思い出して一枚の栞を取り出してこれもまた置いておく


「……それじゃあ」


そう黄之助さんに言い、私はゆっくりとドアに向かって歩き出す


冷たいドアの取っ手に手をかけ、ドアを開ける


後ろで私を引き留めようとする声を無視し、ドアを閉める


ドアが閉まる音を聞いた瞬間、止め処なく涙がボロボロと溢れてきた


これじゃあ私が被害者みたいだ


ごめん、本当にごめん


もう、貴方の前から消えるから


もう________________君の苦しむ姿を見たくない


病室から離れて家に戻る道の途中、脳内をよぎったのは一つの記憶





快斗が使っている地下室で、偶然見つけたボイスレコーダー


拾い上げて裏を見ると


そこには“黒蝶へ__一代目より”と書かれていた


もし一代目というのが盗一さんの事だとしたら、どうして黒蝶なんて名前知ってるのだろう


という疑問と共に音声を流す


それから聞こえた声はずっと昔に聞いた声だった


“君は、私の事を覚えているかな”


始めに聞こえた声は、やっぱり予想していた台詞だった


「…覚えてますよ。10年ぶりですよね。盗一さん」


でもどうして私の事なんて覚えてるんですか?私があったのはショーの時、一度きりでしたよね


一度だけ、話しただけの人間のこと覚えてるなんて流石です

78:嘘つき→←76:当たらなければ良かった予感



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極・吹雪姫 - がんばれ、、、です (2019年5月1日 15時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
いえーーー - 夢主と快斗でポッキーゲーム!あ、でも夢主ポッキーゲーム知ってるかな? (2019年5月1日 15時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
木城時雨(プロフ) - 道化師ロキさん» ありがとうございます!続編もう少しで出すのでよろしくお願いします! (2017年8月24日 11時) (レス) id: f8eb10b8b4 (このIDを非表示/違反報告)
道化師ロキ - とっても面白いです!応援しています!頑張ってください!! (2017年8月24日 10時) (レス) id: 091673db49 (このIDを非表示/違反報告)
木城時雨(プロフ) - 藤堂ナオミさん» 沢山コメントありがとうございます!頑張ります!! (2017年8月17日 20時) (レス) id: f8eb10b8b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木城 時雨 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年6月9日 21時

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