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76:当たらなければ良かった予感 ページ37

イヤな胸騒ぎを結局ほっとくことができず、玄関に鞄を放り出して快斗が歩いて行った道をかける


走っている途中では何も不審な音はせず、やっぱり勘違いか…と思って速度を落として曲がり角を曲がった時だった


目に映った光景に、私は動けなかった


「うそ…」


目の前には数人の男と鉄パイプ


そしてそのパイプが振り下ろされ…



「快斗!」


一体どのくらい固まっていただろう


数分か、数秒か


そんなこともうどうでもよかった


快斗の腕を掴んでどこかへと連れて行こうとする男の腕を掴んで離す


「何の心算」


思わず口からでたのは自分の声とは思えないような冷たい声だった


「何の心算か?ってことはお前が例の黒蝶か」


…黒蝶が目当てだってこと?


でもどうして快斗が…


「お前も知ってるじゃあ?スカイマフィアの残党よ


知り合いにいい情報屋がいてなぁ、そいつに調べてもらったってわけだ」


そうか…そういうことか


「はぁ?逆恨みだかなんだか知らないけどさ」


私が引き起こしたことだってわかってた


でも、それでも許せなかった


「だからって…私の知り合いに手をださないでいただけますけねぇぇ!」


わかっていても我慢できなかった





「…」


数分後、目の前には先ほどの男達が倒れていた


最後の一人が気絶するのを確認する前に快斗の方に駆けよる


上体を上げて声をかけてみるが意識は戻りそうになかった


「ごめん快斗…」




その後すぐに救急車も呼び、丁度黄之助さんも病室に駆けつけてくれた。勿論残党たちは警察へ


しばらく快斗の隣で座って様子を見ていると徐々に意味が落ち着いていくのを見て握っていた手を離した


目の前には静かに寝ている快斗


あぁ、忌々しい


………残党(彼等)だけを恨めたら、どんなに楽だったか


私は未だ動かない快斗を見た


こうなったのも全部___私のせいだ


「最悪だよ…」


ポツリ、と漏らした言葉に後ろでじっとしていた黄之助さんの顔が青ざめる


「ど、どうなさいました!?快斗おぼっちゃまが___」


「いや、快斗は大丈夫。多分もう少ししたら目が覚めるんじゃないかな。___最悪だって言ったのは私の事だから気にしないで」


そういった声はかなり自嘲気味で、苦々しい響きだった


しかし快斗が心配のあまりか気づかなかったようで、ホッと溜息をついた


「よかったです…連絡をいただいた時にはどうなるかと」


その瞳には本当に安心したような色があった

77:一代目との約束→←75:後悔の言葉



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極・吹雪姫 - がんばれ、、、です (2019年5月1日 15時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
いえーーー - 夢主と快斗でポッキーゲーム!あ、でも夢主ポッキーゲーム知ってるかな? (2019年5月1日 15時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
木城時雨(プロフ) - 道化師ロキさん» ありがとうございます!続編もう少しで出すのでよろしくお願いします! (2017年8月24日 11時) (レス) id: f8eb10b8b4 (このIDを非表示/違反報告)
道化師ロキ - とっても面白いです!応援しています!頑張ってください!! (2017年8月24日 10時) (レス) id: 091673db49 (このIDを非表示/違反報告)
木城時雨(プロフ) - 藤堂ナオミさん» 沢山コメントありがとうございます!頑張ります!! (2017年8月17日 20時) (レス) id: f8eb10b8b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木城 時雨 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年6月9日 21時

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