第152話 嫉妬 ページ8
「俺も、あの写真ずっと見てた」
ジフンが淡々と告げた。
「ずっと、何回も通いつめて、あの写真だけを見てた」
真剣な顔でこちらを見つめてくるジフンの瞳から目が離せない。
「懐かしい……ね。糸電話」
Aとジフンを繋いでくれた、奇跡の糸電話。
「今、ミンギュが糸電話の写真見てた話聞いてお前が喜んでたの、すげー複雑」
こうも素直に告げてくるジフンは珍しくて、直球な言葉にAは瞬きをすることしかできなかった。
「あの糸電話で俺もAを知ったんだ。……なんか、それが他の人もそうだと思うと……悔しい」
糸電話の写真は広く高く評価された。
ジフンがAの名前を知れたのもこの写真のおかげだが、それはミンギュや写真を依頼したソギョンだってそうだ。
なんだかそれが、ジフンにとってはAとの繋がりに壁が生じたようでもどかしかった。
「……もしかして、嫉妬してくれたってこと?」
Aは感じたことをそのまま伝えてみた。
思わず頬は緩んでしまった。
「嫉妬……?いや……そうか、認めない方がかっこ悪いな。……うん、嫉妬した」
ジフンは驚いた顔をした後、納得したように微笑んでそう言った。
「でも考えてみてよ。ジフナとの出会いがなかったらあの写真は生まれなかったんだよ。
……だからあの写真は、ジフナだけのもの」
ジョンハンと言いミンギュといい、あまり話したことがない人との会話が続いたせいか、だいぶお酒を飲むペースが速くなっていたA。
なんだか思考がふわついている今なら、なんでも言える気がした。
「私が夢だった写真の道を今少しずつ前進できてるのも、今日こうして楽しい場にいるのも、今がとっても幸せなのも、ぜ〜〜んぶジフナのおかげ。だから本当にジフナに感謝してるし、生まれてきてくれてありがとうって一番思ってるよ。
……今日だって一番最後まで、朝が明けるまでずっと、私がお祝いし続けてやるんだから!……覚悟してよ?」
さっきのジフンのように言ってやろう、と思いつつも、やはりすべてがなんだか恥ずかしくなって”私も映像見る”なんて言って逃げるように席を立った。
「っ〜〜〜!アイツは……っ」
ついに席に一人になったジフン。
接続を完了したミンギュから、”ヒョンも早く来てください”なんて呼びかけられたが、正直今は顔が熱すぎてそれどころではなかった。
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写真を撮る彼女と話すといいことがあるかも!
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もちこ(プロフ) - ヨハンさん» 大好きな作品と言っていただけること本当になにより光栄です!沢山沢山本当にありがとうございました!(;_;) (2022年1月29日 18時) (レス) id: 17a1fa0845 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - ヨハンさん» ヨハンさん……!!ヨハンさんから前回いただいた嬉しいコメント噛みしめながら元気をいただいたからこそ完結にいたることができました(TT)完結後もこうしてわざわざ感想をいただいて本当に嬉しいです;;; (2022年1月29日 18時) (レス) id: 17a1fa0845 (このIDを非表示/違反報告)
ヨハン(プロフ) - 久しぶりに占ツクに来たらだいすきな作品が更新されて、しかも完結まで辿り着いていて一気に読んでしまいました…!完結おめでとうございます!とっても大好きな作品です! (2021年12月14日 15時) (レス) @page16 id: 4d64febedc (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - のあさん» 頭を抱えていたのですが、結果的に無事楽しんでいただけたようでなによりです本当に……!(TT)沢山沢山ありがとうございました♡;;; (2021年11月27日 23時) (レス) id: 17a1fa0845 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - のあさん» のあさ〜〜ん!!ねぎらいの言葉まで本当にありがとうございます;;;うああのあさんのお優しいお言葉、ひたすら脳内に刷り込まさせていただきました……長い作品を完結させることも初めてだったので、終わり方にはかなり (2021年11月27日 23時) (レス) id: 17a1fa0845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/koro_mowo
作成日時:2021年11月19日 19時