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「...アンタは、優しすぎる」


俺もAの隣で、手すりにもたれる。


『....そうかなぁ』

俺の言葉を真に受けていない様子のA。


「....親戚も友達も、全部自分で突き放したって聞いたが...
 それは自分の為じゃねぇ
 アンタは、他人を...憎んでなんかいねぇんだろ?」


『...と言いますと?』


「...見舞いに来る奴らに、アンタは、
 退院の目処もつかねぇてめーに、
 時間を割いてほしくなかった......違ぇか?
 そんなアンタだから、俺の何てことない生活の、
 話を聞いただけで、ギャーギャー泣くわけだ」


『...ハハっ...すごいなぁ...
 ...でも、それだけじゃないです
 特別に教えてあげます...!
 もうここまで来たら、隠す必要もないですよね..』


「.....」

俺は黙ってAからの続きを待った。


『...自分にとって、大切な人が存在しないこと、
 死ぬまでずっと孤独でいること、
 ...それが家族への償いだと、
 自分への戒めだと思って、全部突き放しました』


そう言うAの目は、どこを見ているか分からない、
ずっと遠くを見ていた。


「...アンタはそれで、
 本当にいいと思ってんのか?」


『......家族はきっと、怒っているでしょう
 命張って護った娘が、妹が、
 こんなくだらない生き方を...って...
 ......でもね十四郎さん、こうでもしないと、
 私は生きることを、本当に辞めてしまう....』


こいつの言いたいことは、何となく理解できる。



命を張って護ってくれた、家族の為に、
生きなければならない。

しかし、てめー独りで生きていくには、
それなりに苦しむべきだと。



その答えが、


”孤独で死を迎える為に、生きる”

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎   
作品ジャンル:アニメ
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リヴ - ていさん» 私も銀魂の小説書いてます!ていさんほど上手くないですが、ぜひちらっと見ていただけたら嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - リヴさん» 勿体ない程のお褒めの言葉ありがとうございます(TT)完結まで暖かく見守ってくださると嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
リヴ - 語彙力が素晴らしいです!ていさんの作品色々読ませていただいたんですが、どれも面白くて…!尊敬してます!更新頑張ってください! (2021年1月5日 10時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てい | 作成日時:2020年12月20日 6時

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