私は稀有な異能の子 ＊2＊【文スト】太宰治

突入 ページ4

｢なるほど……｣

乱｢Aはまだまだだね！｣


あんなに真剣だったのに、
乱歩さんは掴めない人だな……
そういう所がいいと思うんだけど


太｢うーん、なーんかやだなぁこの依頼｣

｢そんなこと言わないでくださいよ……｣


それは太宰さんにも言えることである。


乱｢ふっふっふー、僕の異能力で
アジトを割り出してあげるよ！｣


乱歩さんが異能力を使う。

……



｢分かりましたか……？｣

乱｢うん、分かったよ｣

太｢流石乱歩さん｣

乱｢そいつらは……ここにいる｣


乱歩さんは地図を指さした。





……







敦｢本当にここであってるんですか？｣

太｢乱歩さんが言うんだから間違いないよ｣


私は乱歩さんが割り出した場所、
横浜の端にある路地裏街へと来ていた。

道端には散乱したゴミ、みすぼらしい
身なりをしたホームレス、腐臭が漂う
得体の知れない物体、
なんだか死んだような街だ。

その一角、見た目はBARのような看板だが、
あまり目立ちたくない店なのか、
灯りがほとんどない。

余計に怪しさが増す。


｢なんだか緊張してきました……｣

独｢お前は援護に回ってくれればいい、
全然は敦とコイツと俺でなんとかなるだろう｣


そう、突入するのは私を含め4人。
私は補助に回るとの事だけれど……

ポートマフィアに攫われた事件から
体術も沢山習ってきたし、合気道も
心得た。まだ未熟な方だけれど……

大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせていると、
敦がBARのような店の扉を開けた。

ギィ……

木の扉がゆっくり、暗闇へと誘(ｲｻﾞﾅ)う。
重たい空気が店の中から流れ込んでくる。


｢ふぅ…｣


もしかしたらこの先におばちゃんが
いるかもしれない、
と思うと足がすくんできた。

敦と国木田さんが中へと入っていく。

中々店内へ進もうとしない私の肩に
太宰さんが優しく手を回してきた。


｢…？｣

太｢大丈夫、私がいるから｣


ふっと微笑む太宰さん。
こういう時は頼りになるんだから…

太宰さんの薄茶色のコートをそっと掴み、
私たち4人は中へ入った。


……


階段を下りると、カウンターがあり
いくつかの椅子(ｲｽ)が並べられていた。

しかし、客の気配は一切なく、
あろう事か従業員の気配さえ無い。


敦｢まだ開店前なんでしょうか｣

独｢だとしたら椅子はテーブルの上に
置いてあるはずだし、入口の扉の所に
closeの看板でもぶら下げてあるはずだ。｣


やはり普通のBARでは無いようである。

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