番外編 74日 " ページ25
夕陽の笑顔の秘密。
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俺は非常に困ってる。
だって…Aが囲まれすぎて俺が置いてきぼりになってる。
「あらー可愛い、この子なんて言うんですか?」
お母さんはAの頭をなでて、鼻を高そうにする。
Aがお姉さん達に笑いかけ、挨拶をした。
「僕の名前はAですッ…!」
その笑顔は眩しいくらいカッコ良い。
Aと俺の容姿は似ていて、大差変わりはないけどみんなAの方に視線が向く。
「Aくんねー…あら?この子たち、双子なんですか?」
お姉さんが俺の方を指差す。
するとお姉さん達は近づいてきて、俺の頬っぺたをプニプニと触る。
「やーん、こっちの子も可愛いー!」
俺はいつもAの後で可愛がられる。
俺はAが大好きだから、それでも嫌じゃなかった。
だけど…やっぱりAは____
急に咳き込む、そして苦しそうな息をする。
「えっ…大丈夫、なんですか?風邪とか…」
お姉さん達の顔が焦り気味になる。
それにお母さん達は首を振った。
「生まれたころから体が弱くて…すいません」
そして苦しそうなAの背中を撫でるお母さん。
そのあと、抱きかかえるお父さん。
心配そうに見ているお姉さん達。
俺なんか視線の先にも入らない。
Aが俺に気付いた、するとなんと笑うんだ。
辛いはずなのに、苦しいはずなのに。
「大…丈夫だよッ…」
心配させないように、無邪気に…太陽のように輝くような笑顔で。
いつもそれに見惚れてしまう。
Aが好かれるのも分かる。
俺もあんな風になりたい…Aみたいな。
にしても、横顔だけでも綺麗だ。
なんだろう…同じだけど違うんだ。
Aはお母さん似の顔の形、大きな違いは…その綺麗な輝く大きな大きな瞳。
だから俺はAがどんどん変わって行くのが嫌だった。
見てるしかなかったけど。
あの頃の君がまた見たいから。
俺は大好きなAのようになれたかな。
ーENDー
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明月浅葱(プロフ) - めっちゃ泣きました! 俺、病系好きなんであまり泣かないんですが、こんなに泣いたの初めてです! (2022年11月13日 16時) (レス) @page30 id: 2a22133648 (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - 目が晴れそうなほど泣いてしまいました。素敵なお話を完結させてくださりありがとうございます! (2021年12月21日 0時) (レス) @page30 id: b5d4ecbe80 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 涙が止まらない位感動しました。 (2016年9月18日 14時) (レス) id: a56b4ade72 (このIDを非表示/違反報告)
桃崎星(プロフ) - 涙が止まらん (2016年2月22日 22時) (レス) id: 308057f239 (このIDを非表示/違反報告)
ぁぃぅぇぉ。 - 久しぶりに小説で泣きました…。それはもうボロボロと(笑 とても素敵なお話でした! (2015年9月9日 14時) (レス) id: 76adb82bc6 (このIDを非表示/違反報告)
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