君がいない世界なんて、嫌だ。2

67日 ページ17

こんな薄れ薄れの意識だからか、今ならハッキリと昔の誕生日の日を細かく思い出せるんだ。

夕陽との二人のツーショット、ストーブを囲んでのケーキ、誕生日プレゼント。

クリスマスにも近かったからプレゼントは一人で2個。
笑あって家族で囲んだあの夜が、あの日が蘇る。

小さい頃の良い思い出の楽しげな笑みと違う。
今の夕陽、お母さん、お父さんの顔はクシャクシャで悲しげな笑み。

こんなに苦しくて死にそうなくらいなのに、目をつぶればあの日々が目に浮かぶ。

『夕陽〜！僕ね〜…みんながだ〜いすき！」

『ずっとみんなのそばにいたいなぁ…』

こんな昔の自分の声すら蘇る。

今は僕、後悔なんてなに一つもない。
断言できるようになった。

確かに夕陽に嫉妬したり憎いし羨ましいけど……



僕が病弱で、君と双子で、この家で、この家族で、体で、約束に縛られて、僕は僕で、ここまで生きれて幸せなんだ。

なんで早くこの『幸せ』が分からなかったんだろう。
昔の僕は分かっていたはずなのに。

十まで生きられない…そう言われ続けてきたんだ。
今、だけど十五でもう少しで十六。

僕が僕自信、ここまで生きれた理由はまだ見つからない。
だけど、いつか見つけられそうな気がした。

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