ぱーと 22 ページ22
俺は蓮がいる病院に辿り着いた。
すると丁度その時お母さんと蓮が病院から出て来た。
偶然なのか、運命なのかを漂わせる。
「あっ…A…」
蓮の視線があい、お母さんは俺の方を見た。
「A…何でここに?」
お母さんは驚いた様子だった。
学校の保健室で寝ていたはずの俺がここにいるのはおかしいことなのか?
「俺は、その…起きた時、蓮がいなかったから心配だったんだ…」
また蓮と視線があった。
俺と同じことを思っていたのだろうか?
「そう、そうなの…蓮は無事よ」
お母さんが俺に近づき、髪をクシャクシャと撫でる。
暖かくて、柔らかくて、心地の良い手。
「よかった…蓮、今度はちゃんと言うんだぞ?」
俺は蓮の顔色を伺った。
「うん…ごめん、ただ役に立ちたくて…」
そういうと照れた顔で笑う。
「ほら、二人とも車に乗るわよ」
お母さんが車のロックを解いて、呼んでいる。
俺たちは車に乗り込んだ。
お母さんと蓮が楽しそうに話してる。
だけど俺は何だが腑に落ちなかった。
結局蓮の容態はどうだったんだろう?
聞き出せばいいのに、そんな一言が言えなかった。
なんだか雰囲気を悪くしそうな気がして。
俺はただ楽しそうな二人を見ていた。
「今日久しぶりの学校だったけど、結構楽しかったよ」
「あら、良かったじゃない!Aは?」
急に話が振られて、俺は驚いて何を言おうか考えた。
「楽しかった」
言えた言葉はこれだけだった。
確かに久しぶりに加賀や相沢先輩、他の部員やクラスメイトに会えたことは良かった。
だけれど俺は今日、全く楽しくなかった。
30人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三日月 - いつも素敵な小説ありがとうございます。他の作品もたくさん読ませていただいてます(*^^*)いつまでも応援しています!更新頑張ってくださいね( ´ ▽ ` )ノ (2015年11月27日 6時) (レス) id: 05c649cfe0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ