ぱーと 1 ページ1
俺は一卵性の双子だ。
生まれた時から一緒だし、クラスが同んなじじゃなくても学校でも殆どずーっと一緒だ。
同じ時を過ごして___同じ事をする。
「A…今年も、去年とあまり変わらないね」
隣で屈託無く笑う蓮。
「あぁ…そうだな…でも、さ」
俺は蓮の方を向いた。
同じ事を思ったみたいで蓮も俺の方を向いて目があった。
「…そうだね、今年も一緒にいれて嬉しいよ」
蓮は俺の手の上に暖かい手を重ねて乗せた。
温もり…同んなじ体温。
「蓮…ずっと、いような…」
蓮はその言葉に返事を返すように笑った。
また今年も春が明けて夏が訪れる。
桜を散りゆくのを蓮と2人、ベランダで見る。
去年も、その一昨年もおんなじ事をした。
毎年、毎年あまり変わらない日々を過ごして行く。
「明日から…学校、始まっちゃうね」
春休みが終わるとまた学校、進級する。
「今年は…同じクラスだといいよな」
去年も、その前も、ずっとクラスは同じじゃなかった。
「僕も…Aと一緒がいい」
蓮は俺の手を強く、けれども優しく握った。
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三日月 - いつも素敵な小説ありがとうございます。他の作品もたくさん読ませていただいてます(*^^*)いつまでも応援しています!更新頑張ってくださいね( ´ ▽ ` )ノ (2015年11月27日 6時) (レス) id: 05c649cfe0 (このIDを非表示/違反報告)
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