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…噂には聞いてたし、何度か面識もあるけど、がっつり話したことは無い。
でも色んな経歴を経て、今この場所にいる、きっと…いや、絶対に凄い人だ。
いつもオーラがあって、エリートっぽいイメージもある。
現に今も、至ってクールで落ち着いてる。
……どうしよ、俺ここで、上手くやってけるかな…
「…なぁ、私同い年なん、知ってる?」
向「え…?」
…不安な思いが過ぎった瞬間、
慣れ親しんだイントネーションで、ふと声を掛けられた。
「同い年やし、関西出身やし…。私の入所日と誕生日、康二くんと逆なんやって」
向「えっ…ほんまに?」
「うん。……知らんけど。」
向「っおい!?」
反射的にズコーっとコケると、ケラケラ笑ってる。
…何この子、意外とこんな感じなん?
「…だから、一緒に頑張ろう」
向「…」
と思ったら、今度はふんわり微笑みかけられて…
それがやけに温かくて、俺は何だか、泣いてしまいそうになる。
「…んふ、大丈夫。私がおるし、皆も優しいし、…絶対1人にはさせへんから」
向「…A…、」
「だから、そんな顔しないで、笑」
向「…うぅぅ…A〜〜っ!」
「うわ…っ!?」
彼女のそんな言葉を聞いたら、思わず手を伸ばして抱き着いてしまった。
どうしてこんなに優しく響くんだろう。
どうしてこんなに甘くて安心するんだろう。
…どうしてちょっとだけ、懐かしいんだろう。
深「いや仲良くなんの早!?」
佐「もう泣いてる…だと!?」
渡「もう名前で呼び捨て…だと!?」
「ちょ…待って…落ち着け…」
向「Aが泣かせに来たんやん!」
「そんなつもり無いけど…?」
阿「うおぉ…Aがお姉ちゃんしてる…」
岩「してるか?あれ」
宮「まぁ、何だかんだでAも仲間が増えて嬉しそうだね」
若干戸惑いながらも、とりあえずでよしよしと頭を撫でられた時…なんとなく。
ここが俺の居場所や、って、
心からそう言える未来は、遠くなさそうやなと思えた。
向「…っよし、A、俺頑張る!!」
「うん…分かった。私じゃなくて皆に宣言して」
向「はい!俺、頑張ります!!」
深「なんかコイツらが同い年なのウケるね」
そう言われて見合わせた顔が、あの日ジャニーさんに言われて見合わせた顔同士だと思い出すのは…
まだもうちょっと、先のことやけど。
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黒葡萄(プロフ) - にゃんころがりさん» こちらこそコメントありがとうございます!です!とっても嬉しいです(ˊᵕˋ)︎︎︎ (2022年10月15日 3時) (レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんころがり(プロフ) - 更新ありがとうございます!今回更新分もすごく楽しかったです。読んでてニヤニヤしちゃいました(*^^*) (2022年10月14日 11時) (レス) @page50 id: 2f2c4b7be0 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - にゃんころがりさん» ありがとうございます!嬉しすぎます〜また楽しんでいただけたら幸いです*'ᵕ' (2022年10月5日 12時) (レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんころがり(プロフ) - 主人公ちゃんとメンバーさんとの絡みがほんのり甘くて、すごく面白いです。更新楽しみにしてます(^^) (2022年10月5日 1時) (レス) id: 2f2c4b7be0 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - 翡翠さん» こちらこそコメント嬉しいですありがとうございます〜!これからものんびり楽しんでください🫧 (2022年9月30日 23時) (レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒葡萄 | 作成日時:2022年9月20日 7時