コンラン ページ13
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〈Tadayoshi side〉
大「…で、何でこの男が？」
錦「は？」
安「もうもうもういきなり睨み合わない！」
Aの黒髪事件(事件ではない)が起きて、
こっちはAのことでいっぱいだってのに。
これ以上事態を混乱させんといてよ。
…ヤスが何故か、
錦戸を連れて俺の元へやって来た。
大「どういうつもりでここに来たん…
ていうか最近、Aと一緒のとこ見いひんけど？」
錦「…」
安「りょ、亮…ほんまにええの？」
俺が勢い任せにAの名前を出せば、
意外にもそれが刺さってしまったように口を噤む。
そして、そんな彼を覗き込んで何か確認をするヤス。
…俺がいくらAが好きでも、
ヤスに協力してもらってても、
二人が仲良いことは事実。
心境としては複雑やけど、
流石にそこは俺がアレコレ言える範疇やない。
それにヤスの性格だって
これだけ一緒におったらそこそこ分かるし、
Aの彼氏だろうがヤスが仲良くしたいんなら
その通りにしてもらいたい。
でも。
こんな風に、
ヤスを間に入れてコイツと関わるなんて。
何でそんなこと…
錦「…ええよ。分かった、そしたら俺から言うわ」
大「…なに？」
錦「俺、Aと別れた」
大「えっ…」
あまりにも堂々とそんなことを言われるなんて
予想もしてなくて、その衝撃に言葉が詰まる。
ヤスを見れば、静かに錦戸の方を見つめていた。
錦「後夜祭の花火の時、
お前A探して俺のとこに来たやろ。
あの後、俺、電話で別れよう言われてん」
大「…え、じゃあ、そしたら、」
錦「結局あの時誰のとこに行ったかも、知らん」
…そうやったん？
A、錦戸とも別れてたんや…。
そしてまた、あの綺麗な黒髪を思い出す。
それならあれは、どういう意味なんやろうか。
錦戸と別れたから、気分転換？
いや、そんな軽くて単純なもんやない気する…。
新たな情報に再び考え出してしまう俺に向かって、
錦「…俺も、知りたいねん。
あの電話は誰からで、
何でAの雰囲気があんなんになったのか。
…章ちゃんにも相談して、そしたら、」
安「ほんまに知りたいなら、一人ずつより、
Aちゃんの近くにおった二人で
協力しあった方がええかも、って…」
錦「俺も、正直その方が効率良いと思った。
やから、」
頼む、って、そんな真っ直ぐ言われても。
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作者名：黒葡萄
| 作成日時：2020年2月7日 16時
