あの後ろ姿 ページ49
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そして、インターホンが鳴り響いたのは正午過ぎのことだった。
ガチャ、とドアを開けると、
「…、舘様……！」
宮「ごめん、ちょっと遅くなっちゃった」
「いや、雪…！」
こんな猛吹雪の中、髪の毛から靴の先まで雪まみれになりながら笑顔で白い息を吐く舘様がそこにはいた。
頬が真っ白で、鼻の先が赤い。寒そう。
「ダメです…これじゃ舘様が、風邪ひいちゃう…」
宮「ふふ、俺は大丈夫だから。ちゃんと暖かくしてきたし、今はAのお見舞いでしょ」
でも…、と戸惑う私の頭をそっと撫でて、「…熱いな」とちょっぴり驚いた顔をした舘様は、
ぱっぱと自分についた雪を払って、いとも簡単に私の体を抱き上げた。
「あぁ……？」
宮「…ここで寝てて。
今からうどん作るけど、食欲ある？あ、お水は？それから…えーっと」
私をベッドの上にそっと降ろしたら、布団を首元までかけて、持ってきた袋の中から食材やらペットボトルのお水やらをテキパキと取り出していく。
…あ、ゼリーもある、やったぁ……
なんてぼんやり眺めてる間に、キッチンに立つ舘様。
しばらくカチャカチャと料理を進めたかと思えば、鍋が煮えるまでの間、こちらの様子を見に来てくれた。
「……んふ、」
宮「なに、どうかした？」
「…風邪、引いて…」
宮「うん」
「私が動けないと、パパが…」
宮「うん、」
「料理、作ってくれて……」
宮「…うん、」
「…それが、なんか、いいなぁって…」
宮「…」
「私は寝てるのに…誰かがキッチンの方で、なんか作ってるの、聞こえるの…」
宮「…うん」
「すごい、すきだなぁ、って…風邪引くたびに、それ思ってたの…思い出して……」
宮「……そっか、」
やさしいやさしい声で、手で、私の前髪の辺りをぽんぽん、と撫でる。
「…うどん、作ってた、パパも……笑」
宮「…そうなの？」
「うん…いつも料理しないけど、こういう時だけ…パパの作ったご飯食べれるの、…その数少ないレパートリーのうちの…ひとつ」
宮「…うん…」
「レアだよ…レア体験イベント……」
宮「…そうなんだね」
「だからうどんは…すき…」
宮「…そう、よかった」
「舘様が作ってくれたの…うそみたい、夢…の中みたい、」
宮「夢じゃないよ、俺ここにちゃんといるよ」
「うん…だったら、いいなぁ……」
…あれ…ダメだ、瞼が………
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黒葡萄(プロフ) - 塩野紗稀さん» こんにちは！ありがとうございます！☺️ 何度も読み返して下さってとても嬉しいです…！のろのろ更新ですがこれからも頑張ります！！お気遣いありがとうございます🥹 (3月6日 12時) (
レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
塩野紗稀(プロフ) - こんにちわ!!このシリーズ大好き過ぎて更新されるまでに何回も読み直してます!!大好きです!!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!! (3月4日 23時) (レス) @page11 id: 9a8af20bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒葡萄
| 作成日時：2024年2月27日 2時
