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岩「…いや、やろう」
「……岩本くん…？」
岩「これはやった方が良いよ。せっかく楠のファンの人達にも見てもらえるチャンスなんだし」
「…でも、この見せ方は、」
岩「それは楠がメインの所に、俺らが入っていくわけだから。それに、」
そうじゃなくても、楠は1人、目立つ存在なんだから。
そう言いかけて、思わず言葉を飲み込んだ。
…周りのメンバー達が、黙って俺を見つめている。
岩「…とにかく、もう決まってるんだしやらないは無いよ。7人で出よう」
「…」
俺の言葉に少し間が空いたものの、みんながそれぞれに頷いてくれる中、楠だけは複雑そうな表情で前を向き直した。
…そう、それでいい、はず。
これが仮に、今回だけに留まらなくなったとしても。
お前が一番輝けるのに、それを自ら放棄したら、このグループはどうなるんだよ。
たとえ楠一強のグループになったとしたって、構わない。
それでSnow Manの名が残っていくなら。
きっと周りだって、その方が需要がある。
…ショックで投げやりになっているのか、真にそう思っているのか、自分でも分からなくなっていた。
ただ、楠の恐ろしいまでの存在感に、俺はとてもじゃないけど対等に並ぼうなんて気になれなかった。
「……岩本くん、」
岩「…ん？」
…結局、楠の意見もあってか、完全にバックの立ち位置で踊ることは改められて、一応7人としての動きで振りを確認していった。
それでも、真ん中に立って必然的に前に出るのは楠。
そんな彼女が、練習終わりに自ら声を掛けてきた。
「あの…今回は、もう時間も無いしこれでやる、んですけど、」
岩「…うん、」
普段はあんなに悠然としている楠が、何故か俺を前にすると少し緊張気味の雰囲気で、喋りもたどたどしくなる。
「最後、ラスサビ前のとこ…ここはやっぱり、私じゃなくて岩本くんがやるべき、だと思う…、」
岩「…」
ラスサビ前、これまでだったら俺が任されていた、ソロのダンスパートと歌割。
1人を際立たせる、見せ所。
岩「……でも、それは楠が任されたパートだから」
「…、だけど、」
岩「俺は後ろで見てるから。大丈夫、1人で頑張って」
「…」
彼女の哀しそうな目を見て、俺は自分が上手く笑えてるか心配になった。
それ以上続かない会話に、楠はまた頷くことなく、そっと目の前を去っていった。
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黒葡萄(プロフ) - スノーウイさん» コメントありがとうございます！ヒロインのことを言っていただけるなんてとっても嬉しいです(*´˘`*)♡ お気遣いもありがとうございます、のんびりですが頑張ります！ (7月8日 16時) (
レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
スノーウイ(プロフ) - 初めまして＾＾初コメント失礼します。ヒロインに私も沼ってしまいました。可愛い！更新大変だと思いますが無理せず頑張ってください＾＾応援しています (7月7日 19時) (レス) @page26 id: b27a556d60 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - ひまわりさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです🥹 マイペースですが気長にお待ち頂けたら幸いです！ (6月5日 2時) (レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - この小説大好きで何回も読んでいます！また更新楽しみにしています！ (6月2日 20時) (レス) id: 3a6334a239 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - 小袖さん» ありがとうございます！これからも頑張りたいと思います！ (2023年5月6日 1時) (レス) id: a634bcac3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒葡萄
| 作成日時：2023年4月17日 15時
