紅一点、ちょっとクールでかなり沼。４【Snow Man】

フロントシート（×黄） ページ15

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"今日ドライブ行く？"










友達とご飯を食べていた夜、

ふとスマホが光ってそんなメッセージが届いた。










「…」










向こうがお手洗に立ち上がったタイミングで、私はその通知をもう一度ちゃんと確認する。


……やっぱり、照からだ。

メッセージを開いて、少し微笑んだ。



照が夜、ドライブに誘うのは、

少し寂しくなったとき…少し、構ってほしいとき。

そんな感じ？

…まぁ、分からないけど。


こうやって不定期に誘いがくるうちに、なんとなく…分かってきたような。



だから、
『少し遅くなるけど、それでも大丈夫なら行きたい』と返す。


…私も、照の運転で走る夜の道は好きだから。

それで、キラキラとした何かが満たされるような気分が好き、だから。



ちょうど友達が戻ってくる頃に、

『いいよ。終わりの時間分かったら教えて』

そこまで迎えに行くから、って優しい文面が見えて、また少し、頬が緩んだ。










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友達と別れ、お店からちょっと歩いた先の路肩に停まっていた、見覚えのあるあの車。


コンコン、と助手席の窓をノックすると、

それに気付いた照がカチャ、とロックを解除する。










岩「…おつかれ、A」

「お疲れ様。迎えに来てくれてありがとう」










お邪魔します、と助手席に乗り込めば、どこか落ち着く、いつもの照の車の匂い。


ドアを閉め、周囲の喧騒が遮断された途端、2人きりの空間に何とも言えない居心地の良さを感じた。










岩「…適当に走らせるけど、いい？」










ハンドルに手をかけながら、こっちに視線をやる照。










「いいよ。どこでも、照の好きな所に」

岩「んふ、好きな所に？笑」

「うん、笑

…私はどこでも、ついて行きますので、」

岩「…ん、分かった、」










少しだけ嬉しそうに笑った横顔に、街灯の光が落ちて、ゆっくり影が移動していく。


丁寧で、余裕のある滑らかな運転。



…静かに流れていく時間に浸るように、私はガラス越しの景色を眺めた。



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