片付け (紫) ページ38
.
村「…で、何で来たん？」
「だから、片付けのお手伝いをしに来たんです」
とある昼下がり。
信五のお家にて。
村「…ほんまは？」
「……一回来てみたかった」
村「そんなことやろうと思ったわ」
だって！
他の先輩達から何度か遊びに行った話とか聞いてたし！
もうすぐ引っ越しちゃうなら、一回ぐらい行ってみたいなって。
だから、「引越しに向けた部屋の片付けのお手伝い」と称して
こうしてお邪魔して来た訳なんです。
「何ですかだめなんですか、
私が遊びに来たら困るようなことがあるんですか」
村「何も無いわい！」
「じゃあ良いじゃないですか」
村「別にそもそもあかんなんて言うてへんしな」
「え、」
村「好きにしてくれ」
「やった！」
村「ただ…」
「ただ…？」
村「…何も無いで？」
お部屋の中を見渡す信五君。
一緒になって部屋中を眺めるけど…確かに、何も無い。
遊ぶにしても、片付けるにしても。
きちんと整頓されているし、物が少ない。
「…話聞いてました？私片付けの手伝いに来たんですよ。
何でこんなに綺麗なんですか」
村「どんなクレームのつけ方やねん」
「もうある程度片付けちゃったんですか」
村「いや？まぁぼちぼちやろうとは思てたけど」
「…じゃあ何故こんなに整理整頓されて…」
村「寮から引越してきてまだそんな経ってへんからなぁ」
…なるほど？
言われてみれば、信五君は大学を卒業してからまだ半年。
家に住んだ長さとしては…短い方なのかも。
だとしても、だけど。
「…つまり、引越しの準備も簡単に済ませられそうなんですね」
村「そういうことや」
「…私は、必要無いと」
村「…」
「帰りま」
村「待てや！笑」
よし、引き止められることに成功。笑
失敗してそのまま帰る羽目になったらどうしようかと思った。
そんな私を見た信五君が呆れたように笑って、
村「ほんならするか？片付け」
「する！」
村「タメ口！」
「するするする！てか引越し来週だし！もうやった方が良いよ！」
村「やっぱ帰らそかなコイツ」
「来週に予定されているお引越しの準備もございますし、
もうお片付けをなされた方が宜しいかと存じます」
村「それはそれで何か嫌やな」
二人で部屋のお片付け、スタートです。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 471人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒葡萄(プロフ) - にのちゃさん» ありがとうございます！初めから読んでくださり有難いです…！頑張ります！ (2022年2月27日 2時) (
レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
にのちゃ(プロフ) - 初めまして！一昨日から読み始めてやっと追い付きました(笑)読んでいてホッコリしますし、クスッと笑える面もあって最高です(*´∀｀*)更新、楽しみにしています。応援してます( ≧∀≦)ノ (2022年2月25日 14時) (レス) id: 43bde75e07 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - みけねこさん» コメントありがとうございます。またお読みいただけて私も嬉しいです！ (2022年2月24日 16時) (レス) @page11 id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 更新ありがとうございます！最近また読み返していたばかりだったから、とっても嬉しいです。これからの更新も楽しみに待ってます。 (2022年2月23日 3時) (レス) @page8 id: d311d92dc2 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - ayayanさん» ありがとうございます。ただいまです！ (2022年2月23日 0時) (レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒葡萄
| 作成日時：2022年2月21日 18時
