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「…凄く、素敵な曲です」
丸「でしょ！俺が大好きなベーシストが参加してんねん！」
ヘッドフォンを外して、差し出されたCDを受け取る。
隆平君が言うようにベースがカッコよくて
自然に響く低音がとても心地良かった。
…突然塞がれた世界の中は、案外心が落ち着いて、
聴いている間だけは色んなものが浄化されていく気がした。
「…ありがとうございます」
私の心情を知ってか知らずか、
こんな風に違う所に連れて来てくれたことに。
すると隆平君はまたちょこっと笑って
丸「ヘッドフォンめっちゃ似合うな」
「え、そんなとこ見てたんですか？笑」
丸「やって可愛いんやもん！」
「ツボが謎です」
丸「謎ちゃうよ、ほらもっかいつけてみて、」
「えー？」
呆れつつも可笑しくて、言われた通りにもう一度装着してみる。
丸「わ、やっぱ良い感じ」
「あ！撮ってるでしょ」
丸「この可愛さをちゃんと自覚してほしいからな！」
「意味分かりません」
いつの間にかスマホのカメラをこちらに向けられて、
そんなに真剣に撮る？ってくらい集中して
シャッターボタンを押してる隆平君。
もー…
「…隆平君は聴かなくて良いんですか？」
丸「え？」
「ほら、ヘッドフォンつけてください」
丸「え、ちょちょ、」
そうだ、と思いついて、
私がつけてたのを外して隆平君の耳に手を伸ばす。
それをすぐに察したように
戸惑いながらもちょっと屈んでくれて、
今度は隆平君がヘッドフォンをつける番に。
丸「…」
「…かわいいです」
丸「ほんまに思ってる？」
「ふふ、笑」
ちょっと適当な言い方になってしまって、若干不服そう。
でも、お構いなしに私もスマホを取り出す。
丸「あー！Aちゃんも撮ってる！」
「この可愛さを自覚してもらうためです」
丸「仕返ししたいだけの人や！」
笑いながらパシャパシャと撮るけど、
保存されていく写真は本当にかわいい。
誰もいないお店の隅っこで、はしゃいでる成人2名。
…変なの。
隆平君といるとこんなことで楽しくなっちゃうなんて。
丸「もう。視聴コーナーで遊ばないの」
「隆平君から始めたんですよ」
何故か叱るテンションでヘッドフォンを外して、
さっきのCDを片手にレジへ。
今度貸したげるな、ありがとうございます、って
二人で約束しながら。
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黒葡萄(プロフ) - にのちゃさん» ありがとうございます！初めから読んでくださり有難いです…！頑張ります！ (2022年2月27日 2時) (
レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
にのちゃ(プロフ) - 初めまして！一昨日から読み始めてやっと追い付きました(笑)読んでいてホッコリしますし、クスッと笑える面もあって最高です(*´∀｀*)更新、楽しみにしています。応援してます( ≧∀≦)ノ (2022年2月25日 14時) (レス) id: 43bde75e07 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - みけねこさん» コメントありがとうございます。またお読みいただけて私も嬉しいです！ (2022年2月24日 16時) (レス) @page11 id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 更新ありがとうございます！最近また読み返していたばかりだったから、とっても嬉しいです。これからの更新も楽しみに待ってます。 (2022年2月23日 3時) (レス) @page8 id: d311d92dc2 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - ayayanさん» ありがとうございます。ただいまです！ (2022年2月23日 0時) (レス) id: 9de473efb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒葡萄
| 作成日時：2022年2月21日 18時
