･ 5 ページ26
.
大「やから今のままで充分やねん、
この生活で事足りてるし」
そんなことを大真面目に言う忠義先輩。
…本当にこのまま諦めなきゃいけないの？
忠義先輩のドラムを、忠義先輩を。
どうにか納得出来るんじゃないか、
理由がそれだけなら
その意思を変えられるんじゃないか、と思った。
思ったんだけど、
大「わざわざその生活を変えようとは
思わん…かな」
その一言が、やけにリアルで。
だけどそれでも諦めきれない自分との
ギャップが激しくて。
あの頃の頼れる先輩の姿は、
もうそこには見えない。
「…ばか、」
大「へ」
「馬鹿です…！先輩のばか！」
安「Aちゃん…！？」
ああもう、どうして怒ってるんだろう私。
私の言った言葉で、
今日初めて忠義先輩の表情が揺らぐ。
「…どうして戻らないんですか、」
大「だから、今は彼女もおるし…」
「恋人にお金たかって、甘い言葉で誤魔化して、
そんな日々にずっと居続けるんですか？」
大「…」
待って、お願いだから黙って自分。
…愛し合い方は人それぞれだ。
他人が突っ込む筋合いなんて無い。
分かってるよ、
それが忠義先輩の気に入った生き方なら、
口を挟んで偉そうに説教なんかしたくない。
分かってる…、けど、けど…
「…もう、ドラムは好きじゃなくなったんですか？
バンドをやるのは、もう…？」
…音楽に夢中になって、
キラキラしている忠義先輩がそこにいないなんて。
どんな生活を送っていようと、
それだけは、捨てないでいて欲しかったのに。
大「…そんなこと、聞かんといてよ」
それも、どうせただの私の願望。
怒っていたはずが、泣きそうになってくる。
…すっかり気まずくなってしまった空気の中、
錦「…もうええよ、行こう、A」
「えっ…」
隣に座っていた亮先輩が立ち上がり、
机に食事代のお金をばん、と置いて、
私の手首を掴んだ。
掴まれた腕が引かれて、
亮先輩はそのままお店を出ようとする。
安「ちょ、帰るん！？」
錦「ごめん」
大「…」
二人を置いて、私達は外へ出た。
.
安「ほんまに帰ってもうた…」
大「…」
安「…大倉、大丈夫か、」
大「…」
安「何か…酒でも奢ろか？」
大「お願いします」
安「即答すなヒモ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 423人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒葡萄(プロフ) - ゆっちさん» ありがとうございます！とても嬉しいお言葉です…。今まで以上に書くのが遅くなってきているので、頑張ります笑 (2018年8月9日 10時) (
レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっち - 本当にこの作品がめっちゃ好きです！最近そんな更新されてないので更新しちゃってください！これからも応援してます！ (2018年8月9日 8時) (レス) id: 97646d7482 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - おおおいさん» ありがとうございます！！ (2018年8月4日 5時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
おおおい - この作品の更新があるたびに一人で「おぉ、、、、、!」(いやっふぅ〜!!!)←心の中でさけんでます(((続きが気になるぅ! (2018年8月3日 21時) (レス) id: b4b5488299 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - 春歌さん» ありがとうございます！ (2018年7月30日 18時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒葡萄
| 作成日時：2018年7月4日 18時
