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「…しょ、章ちゃん先輩？」
安「え…と、Aちゃん？」
…私達の前に現れた人は、章ちゃん先輩だった。
ギターのケースを背負って、肩で息して、
私の顔を見て目をぱちくりさせて。
それから、
安「…Aちゃん！」
「ちょっ…！」
何かを考えるより先に、私に優しくハグをした。
急にこんな場所で抱き着かれてたのに、
拒否できなかった。
ふわりと包まれる感触で、
様々な思い出が引き出される。
懐かしい、この感覚。
ぎゅっ、と確かめるように少し力を込めてから、
離れて肩を掴み、
改めて私の顔を見る章ちゃん先輩。
安「やっと…見つけた…っ」
「…え、」
瞳が潤んでいて、ちょっと泣きそうな表情。
そんな様子を見て、亮先輩がまた微笑む。
安「Aちゃん…どんだけ会いたかったか…」
「…」
はぁっ、と呼吸を整えてそう言う先輩に、
私の迷いはいつの間にか消えていた。
目の前に、亮先輩と章ちゃん先輩が、いる。
「…何で、章ちゃん先輩が…」
安「…だって俺、亮と二人で歌ってるもん」
「え」
その言葉に驚く。
亮先輩の相方って、章ちゃん先輩…！？
錦「あれ、俺言わんかった？」
「言ってません！」
錦「ごめん言うたつもりでおったわ」
「聞いてません！」
さっき自分から探らなかったから だけど。
…久しぶりにこんな風に素で大きい声出した。
ほんまごめんて、と可笑しそうに笑う亮先輩。
まだ二人は一緒に音楽を続けてたんだ…。
安「ごめんな亮、
一回帰ってからでも間に合うかと思たんやけど…」
錦「ギリ間に合わんかったな、笑
…まぁAのせいやけど」
「え、私ですか」
錦「Aがな、
急に乱入してきたから続けられへんくなってん」
「いや乱入って」
安「ちょっとぉAちゃん」
「えぇぇ…」
困惑しながらも嬉しかった。
まるで昔に戻ったような。
全ての事情を置き去りにしても、
こんなテンションは相変わらずだった。
二人とも見た目はあの時よりも大人になったけど、
不意に見せる表情とか、時折の仕草とか、
そういう所はあの時と同じ。
だけどやっぱりぱっと見上げた時の姿は
一瞬分からないほど大人で。
懐かしいのに新しくて、近いのに遠くて、
なんだか物凄く切なくなる。
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黒葡萄(プロフ) - ゆっちさん» ありがとうございます！とても嬉しいお言葉です…。今まで以上に書くのが遅くなってきているので、頑張ります笑 (2018年8月9日 10時) (
レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっち - 本当にこの作品がめっちゃ好きです！最近そんな更新されてないので更新しちゃってください！これからも応援してます！ (2018年8月9日 8時) (レス) id: 97646d7482 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - おおおいさん» ありがとうございます！！ (2018年8月4日 5時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
おおおい - この作品の更新があるたびに一人で「おぉ、、、、、!」(いやっふぅ〜!!!)←心の中でさけんでます(((続きが気になるぅ! (2018年8月3日 21時) (レス) id: b4b5488299 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - 春歌さん» ありがとうございます！ (2018年7月30日 18時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒葡萄
| 作成日時：2018年7月4日 18時
