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安「あのさ、あそこ行かへん？」
大「行かへん」
安「まだ言うてへんわ」
三年生と別れたと思ったら、
章ちゃん先輩がそんなことを言い出した。
「どこですか？」
安「…いつものあの神社」
え？
いつものって、それこそ
このバンドで何度も訪れてきた、小さい神社？
大事な日の前には、皆でお願いしに行く、あの。
錦「俺はええけど、」
丸「僕ももちろん」
大「行く！」
「私も行きます」
安「あはっ、ありがとう」
笑った章ちゃん先輩から、ふわっと白い息。
…よく考えたら、
毎度お世話になってる神社だもんね。
新年の挨拶もきちんとしなきゃ、かも？
空はまだ暗いけど、
すっかり年明けの明るいムードに包まれた街を
五人で歩き出す。
.
安「あのな、」
皆でお願いしたいことがあんねん、
と、神社に着くなり口を開く章ちゃん先輩。
ひっそりと佇む この見慣れた神社は、
さっきの大きな神社から少ししか離れていないのに
辺りも何だか しん としている。
安「皆で、…三年生の合格祈願、しよう？」
少し遠慮がちに ちょこっと首を傾けて
そう提案する。
そんな章ちゃん先輩に、私も他の先輩達も
どうしてわざわざここへ来たのか納得。
ライブの成功をお願いしてきたこの神社で、
三年生の受験の成功もお願いする、ってことだ。
「したいです！」
安「せやろ？」
大「合格祈願…さっき俺してなかった！」←
橙「確かに盲点やったなぁ…」
錦「でも本人達はしてたんちゃうの？笑」
安「あ、それやねんけど…」
「？」
.
お参りのあと、皆が何をお願いしたか話してた時に
僕もしぶやんに聞いてん。
安「しぶやんは？」
渋「ん？」
安「何お願いしたん？」
きっとまともには答えへんやろうな〜とか
思いながら、返事を待ってたら
渋「…じゃあ、ヤスには、教える。」
ってちょっと予想外の答えが返ってきた。
少し驚いていると、
俯き気味にマフラーに顔をうずめて
皆には聞こえへんような小さな声で
渋「…このバンドがずっと続きますように、
ってお願いした」
安「え…」
…しぶやんがお願いしたのは、
自分のことよりも、バンドのことやってん。
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黒葡萄(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます！これからどうなっていくのか、ぜひ見届けて頂けると嬉しいです！ (2018年3月14日 10時) (
レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 未来が気になるお話ですねー、是非大学生バージョンも見てみたい (2018年3月11日 19時) (レス) id: b46cbad2cc (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - りこさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しい限りです…！良かったらこれからも楽しみにしててください！ (2018年2月13日 13時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - 春歌さん» コメントありがとうございます！一番の要注意先輩です笑 (2018年2月13日 13時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - もう毎回楽しみすぎてヤバイです もうこのお話大好きです (2018年2月12日 23時) (レス) id: e52a1f5f42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒葡萄
| 作成日時：2018年1月7日 4時
