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「何気に新鮮ですね」
大「ん？」
「こうして二人だけで帰ってるの」
大「んふ、だから誘ったんやもん」
あんまんを半分残して、包み紙ごと差し出される。
私も残りの肉まんを渡す。
「…あ、」
大「ちょっと多めに残ってる、笑」
奢ってもらったのもあるし、
半分より少し手前で食べ終えて渡した肉まん。
しかし交換したあんまんも、
同じように半分より多めに残されていた。
大「Aちゃん優しいな」
「忠義先輩も優しいですね」
二人で言い合って、可笑しくなる。
大「俺ら意外と同じこと考えてんねんな」
「それ私も思いました 笑」
大「え、今も同じこと思ってたん、笑」
「ふふふ、笑」
お互いの食べ物好きが転じてるのかなぁ。
食事のことに関して、
忠義先輩と意見が割れることはほとんどない。
それって逆に、同じ感覚ってことだったりして。
「はぁ美味しかった… 忠義先輩、ご馳走様でした」
大「どういたしまして」
もうすぐ駅に着きそうなところで、
ほっぺに小さな冷たさが触れる。
大「あ、雪」
「ほんとだ…初雪ですね」
ちらちらと白い雪が降ってきた。
風に吹かれて不安定に地面に落ちていく。
大「小さい時さ、雪食べんかった？笑」
「懐かし、食べてました」
大「今思うと絶対汚いよな」
「でも美味しいと思ってましたよね」
不意に忠義先輩が笑い出す。
白い息が出ては消えていく。
「なんですか、」
大「いや、雪降っても
食べる話になってまうなぁと思って…笑」
「確かに！笑」
そのまま、あっという間に駅に到着。
二人で改札を通って、ホームに降りる。
寒いけど電車を待つ。
大「ずっと思ててんけどさ」
「はい」
大「Aちゃんって美味しそうやんな」
「はい？」
いきなり何を言い出すんでしょうかこの方は。
私の方をじっと見つめて、にこにことする。
大「白いし、ほっぺ柔らかいし、可愛いし」
「何言ってんすか先輩」
大「たまに塩対応で冷たいし」
「え？」
大「子供の頃は雪食べてたけど、
今もそんな気持ちやわ」
「どういうこと！？」
電車が入って来て、周りの音が聞こえにくくなる。
すると忠義先輩は私の耳に口を寄せて
大「食べちゃいたい、ってこと」
低い声で優しくそう言って、微笑んだ。
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黒葡萄(プロフ) - 花さん» コメントありがとうございます！これからどうなっていくのか、ぜひ見届けて頂けると嬉しいです！ (2018年3月14日 10時) (
レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 未来が気になるお話ですねー、是非大学生バージョンも見てみたい (2018年3月11日 19時) (レス) id: b46cbad2cc (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - りこさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しい限りです…！良かったらこれからも楽しみにしててください！ (2018年2月13日 13時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - 春歌さん» コメントありがとうございます！一番の要注意先輩です笑 (2018年2月13日 13時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
りこ - もう毎回楽しみすぎてヤバイです もうこのお話大好きです (2018年2月12日 23時) (レス) id: e52a1f5f42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒葡萄
| 作成日時：2018年1月7日 4時
