分かってるよ ページ30
恬までそういうこと言うの？
咄嗟にそう思ってしまったのが顔に出ないように、と力を入れる。
｢ごめんごめん、そういうつもりじゃなくて｣
顔の前で手を振る恬が続ける。
｢AはA。ちゃんと分かってるよ。｣
その声は優しくて、だけど力強さもあって。
恬は私を私として見てくれているんだ
そう思えた。
｢たださ、こんな気軽に連れ出しちゃって大丈夫だったかなって今更心配になって。｣
私なんかよりもよっぽど色々気にかけてくれる。
そんな恬が好きだと改めて思った。
時間が私たちを隔てても、気持ちが途切れることはなかった。
多くの武官や文官の人たちが咸陽を行き来して、求婚されることも無かったわけじゃない。
だけど、どれだけ素敵な言葉を並べられても心は動かなかった。
私が恬としたのなんて、子供の遊びとも言えるぐらいの小さな約束だったのに。
それが、私を強くしてくれていた。
私が私でいることが出来た。
なんてことを考えていたからだろう。
｢顔赤いよ？｣
恬に心配されてしまった。
｢熱でもある？｣
私の額に向かって恬の手が伸びる。
優しく触れられて、私は固まることしか出来ない。
｢熱いような気もするな、｣
自分の額にも手を当てて考えてくれている。
その姿が可愛くて、私は思わず笑ってしまった。
｢やっと笑ってくれた。
会って早々は泣かせちゃったし、笑って欲しかった。｣
優しい声で言われて、また体が熱くなる。
｢あの頃のままで安心した。｣
｢え？｣
何を安心するのだろう、そう思った。
｢咸陽に行った後、手段もないししょうがないとは思うけど、何も連絡取れないし、もしかしたら辛い想いしてるんじゃないかな、とか思ってたんだ。｣
そんなことを考えてくれていたなんて思ってもいなかったから、驚きつつも嬉しい思いが強い。
｢毅がこの前の趙との戦の後、Aと会ったって言ってて、我慢してたのに、久々に名前聞いて、どうしても会いたくなった。｣
改めて見る横顔は最後に見た時とは比べものにならないほど大人びていて、少し苦しそうに歪むその姿に胸がぎゅっと掴まれるようだった。
｢本当に、ずっと会いたかった。｣
恬の口から出たその言葉に、
(あぁ、同じことを思ってくれていたんだ)
と分かって嬉しさが募る。
｢なんて、子供みたいだよね｣
そう笑う恬を見て、思わず体が動いていた＿＿
次回…ずっと一緒に
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ももか(プロフ) - 丸さん» ありがとうございます！！嬉しいですー！！更新頑張ります……！！ (2022年5月5日 20時) (
レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
丸 - 楽しみに待ってました！！なんかめっちゃ楽しみになってきた！！ (2022年5月5日 0時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» なるほど！！！それも面白いですね(o´艸`)妄想が膨らみます！！ (2022年3月28日 22時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
丸 - ももかさん» いえいえ、はい、かっこいいです！！信も主さんのこと恋したりするのかな…そしたら恬が怒るなぁ、、と感じに毎日妄想したりしてます笑 (2022年3月28日 20時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！m(__)mここからの蒙恬かっこよすぎますよね！！ (2022年3月27日 21時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
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