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危機 ページ15

ある夜、私はなにか悪い予感がして眠れなかった。

今日はたしか、向ちゃんが政様の伽の日だ。

きっと、楽しい夜を過ごしているんだろう。

この悪い予感が当たらなければ良いけど...。

...外から物音がする。

扉近くにかけてあった剣を持ってそっと、扉に耳を近づける。

何かがこちらに向かって来る。

扉を勢いよく開け、剣を構えた。

ずっしりとした重い剣が私の剣で止められる。

私は、敵か味方か分からず、一歩引いて剣を構え直す。

「あ、やべっ。部屋間違えちまった。」

「え...?貴方は?」

「俺は、政の友達の飛信隊・信だ!」

「飛信隊、信。話は聞いたことがある。」

「おぉ。だが、今はちょっとばかし緊急事態だ。」

「えぇ。私は、成蟜の妹、A。
 信殿、手短に説明してくれる?」

「俺のことは信で良い。元下僕だしな。
 政が刺客に狙われているんだ。
 だから、俺はそれを助けに来た。」

「分かった。政様の部屋は隣。」

「おぅ。というか、お前剣の腕はどこで磨いた?」

私は義理とはいえ王の妹だ。

お前呼ばわりされるのは...と思ったが、政様が名前呼びを許すのだからまぁ良いか、と思い直す。

「王都反乱のとき、お世話になっていた家の人に教わったんだ。」

政様の部屋の前で立ち止まる。

信が勢いよく扉を開けると、政様と剣を交えた。

「久しぶりだな、信。また腕をあげたか?」

「おぅ。ここに来るまでにも刺客にあった。」

「やはりそうか。Aは部屋に戻っていろ。
 ここからは危険だ。
 もし何かあったら成蟜に会わせる顔がない。」

「嫌です。私も一緒にいきます。
 一人でいるのも怖いですし、自分の身は自分で守れるくらいには剣術を鍛えてきたつもりです。」

「政、こいつの剣の腕は本物だぜ。
 俺の剣をしっかり受け止めやがった。」

「そうなのか。じゃあ、ついてこい。
 向もだ、来い。」

「はい!」

私は、政様の後を走りながら信に聞く。

「気になってたんだけど、その変な生き物はなに?」

「俺は生き物じゃない!河了貂だ。貂でいい。」

顔をあらわにした貂。

可愛らしい女の子だった。

「3人で集まるのも懐かしいなぁ。」

2人とは知り合いのようだ。

私たちは、こんな楽しい会話をしつつも、少しずつ自分達の身に危険が迫っていることを感じ始めていた。








次回...刺客

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ももか(プロフ) - 丸さん» ありがとうございます!!嬉しいですー!!更新頑張ります……!! (2022年5月5日 20時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しみに待ってました!!なんかめっちゃ楽しみになってきた!! (2022年5月5日 0時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» なるほど!!!それも面白いですね(o´艸`)妄想が膨らみます!! (2022年3月28日 22時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- ももかさん» いえいえ、はい、かっこいいです!!信も主さんのこと恋したりするのかな…そしたら恬が怒るなぁ、、と感じに毎日妄想したりしてます笑 (2022年3月28日 20時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» 嬉しいです!!ありがとうございます!m(__)mここからの蒙恬かっこよすぎますよね!! (2022年3月27日 21時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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