大将軍 ページ27
｢この声を聞く王騎軍の兵士に言い渡します
敵の数はおよそ10倍
ならば一人十殺を義務づけます
敵10人を討つまで倒れることを許しません
皆、ただの獣と化して戦いなさい
いいですか、ここからが王騎軍の真骨頂です
この死地に力ずくで活路をこじ開けます
皆の背には常にこの王騎がついてますよ｣
その声は、秦軍全てに届いた。
そして、変化は起きた。
騎馬と歩兵は立ち上がり、王騎もまた、龐煖に向き直る。
立て続けに攻撃を浴びたのは龐煖。
王騎の勝ちに終わるかに見えた次の瞬間。
体を貫かれたのは、王騎の方だった。
……龐煖の矛が王騎を貫くその少し前。
飛信隊・信は、王騎に向けて弓を構える魏加の元に何とかたどり着き、弓を下ろさせようとあがいていた。
しかし、時すでに遅く…魏加の放った一矢は、王騎の横腹に命中した。
ようやく着いた決着に、各々が揺れる中、信は、魏加を切り伏せた。
その目に溢れるのは涙。
｢お待ちなさい｣
決着がつき、もう還らぬ人となってしまったかに思えた王騎将軍が声を上げた。
｢勝手に負けを押し付けられるのは心外ですねェ
我が配下たちにも怒りを覚えます
武器を落とすとは何事ですか
たとえ何が起ころうと、死んでも諦めぬことが
王騎軍の誇りだったはずですよ
ここはまだ死地ではありません｣
そう言って振り下ろした矛は、“ぱし”という音とももに龐煖が手に収めた。
一度立ち上がった秦軍だったが、それを見てまた下を向く。
｢なんの真似だ、貴様｣
龐煖が言うので顔を上げると、王騎の矛は龐煖の首筋に食いこんでいた。
｢貴様は一体、何者だ｣
龐煖の問いに、｢ンフフフ｣と笑う王騎。
｢決まっているでしょォ
＿＿＿天下の大将軍ですよ｣
それを聞いた瞬間、龐煖が勢いよく王騎から矛を抜いた。
飛び散る血。
龐煖と王騎の間に飛び込んだのは、王騎の副官・騰。
そして、倒れ込む王騎を、王騎の馬に飛び乗って間一髪で止めたのは、信だった。
涙に濡れる王騎の精鋭部隊は、飛び込んできた信に、怒号をあびせた。
｢殿に触るな！｣｢馬を降りろ！｣
しかし、そんなことで怯む信ではない。
｢るせェ！俺が一番軽い、俺に任せろ！｣
それを聞いた騰が、指示を出す。
｢騰隊は攪乱(かくらん)のために敵本陣に突撃する
殿の親衛隊と飛信隊は殿と共に全速で左の端を
目指して走れ。そこに“きっかけ”が生まれるはずだ｣
次回……新たな時代
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ももか(プロフ) - 丸さん» ありがとうございます！！嬉しいですー！！更新頑張ります……！！ (2022年5月5日 20時) (
レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
丸 - 楽しみに待ってました！！なんかめっちゃ楽しみになってきた！！ (2022年5月5日 0時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» なるほど！！！それも面白いですね(o´艸`)妄想が膨らみます！！ (2022年3月28日 22時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
丸 - ももかさん» いえいえ、はい、かっこいいです！！信も主さんのこと恋したりするのかな…そしたら恬が怒るなぁ、、と感じに毎日妄想したりしてます笑 (2022年3月28日 20時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！m(__)mここからの蒙恬かっこよすぎますよね！！ (2022年3月27日 21時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
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