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別れ ページ11

恬が部屋に入ってきてからの数秒間。

私には、とても長く感じられた。

「僕のそばにずっといてよ、A。」

「で、でも...。」

私が、“でも行かなくちゃ。”そう言おうとしたとき。

「分かってるんだ。そんなこと出来ないのは。」

「え...?」

「困らせてごめん。」

恬が寂しそうに私を見た。

「私たち、きっとまた会えるよ。」

恬が、キョトンとして顔をあげた。

「だって、同じ国にいるんだよ?
 それに、同じ時間を生きてる。」

恬が頷く。

「だから、絶対また会える。」

ね?と恬と目をあわせると、恬も頷いてくれた。

「その時まで、お別れ。」

「うん。またね、A。」

「またね、恬。」







「ウグッウグッ...グズ」

私がおじ様と丐様に挨拶をしに部屋を出ていこうとしたとき、廊下で泣いているおじさんがいた。

「じ...じぃ!?何で...?」

恬が驚いたように部屋から出てくる。

「いや...なんとお美しい会話なのじゃろうと思って...グズッ」

「じぃは本当に涙もろいなぁ。」

「成長されましたなぁ、じぃは嬉しいですぞ。」

「はいはい。」

2人の楽しげな会話を聞いていると、咸陽に行きたくなくなってしまいそうだった。

「じゃ、もう行くね。」

「うん。」







「あら、行ってしまうのね。
 今までありがとう。楽しかったわ。」

「こちらこそ、ありがとうございました。
 私も、とても楽しかったです。」

丐様に挨拶をしに行くとき、蒙毅くんがいたらと思ったが、いないようだった。

「Aさん、これからも大変だと思うけど、自分の好きなこととやるべきことはしっかりやり抜かないとだめよ。」

「はい。」

丐様の言葉には説得力があった。

「恬のこと好きなんでしょ?私は大歓迎だから。」

「え…それは…その…」

突然のことに顔が真っ赤だ。

だけど、丐様は楽しそう。

自分でも分かっていなかったのに、さすが母親...。

...ということは、恬にも気づかれているかもしれない。

「大丈夫よ。あの子、ああ見えてこういうことには鈍感だから。」

「よ、良かった..…。」

「さ、またね。今度会うときは結婚の挨拶だと嬉しいわ。」

私は、頷くこともできずにただ照れてしまった。



「A、お前なら立派な剣士になれる。
 頑張れよ。」

「はい。ありがとうございました。」

「じゃあな。」

簡単な会話だったけど、おじ様とはこれで十分、そんな気がした。






次回...新生活

新生活→←咸陽



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ももか(プロフ) - 丸さん» ありがとうございます!!嬉しいですー!!更新頑張ります……!! (2022年5月5日 20時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しみに待ってました!!なんかめっちゃ楽しみになってきた!! (2022年5月5日 0時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» なるほど!!!それも面白いですね(o´艸`)妄想が膨らみます!! (2022年3月28日 22時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- ももかさん» いえいえ、はい、かっこいいです!!信も主さんのこと恋したりするのかな…そしたら恬が怒るなぁ、、と感じに毎日妄想したりしてます笑 (2022年3月28日 20時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» 嬉しいです!!ありがとうございます!m(__)mここからの蒙恬かっこよすぎますよね!! (2022年3月27日 21時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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