秘密の朝 ページ4
俺達の飼い主である春ちゃんの朝は早い。
日が出ていない朝の5時に起き、お弁当を作って学校へと向かう。
独り身でバイトをしながら、芸術系の大学へと通っているのだから尊敬する。
ベットから起き上がった彼女を見送り自分もスルリとベットから降り、彼女について行く。
部屋に着く途中彼女と目が合う。
「あっ、先生起きてたの？朝早いなぁ」
からりとした声と、にししと笑う声が聞こえ、
物置のような部屋に辿り着く。
油絵の具や水彩絵の具の乾く匂い。
朝日は登り切っていない。
窓からは鳩の鳴き声と新聞配達のバイクの音が静かな朝に聴こえる。
小さな椅子に座り大きなキャンバスに筆を走らせる彼女、そのキャンバスには鮮やかな色と世界があった。
彼女の絵は嫌いじゃない。この朝だけの特別な静けさも。
彼女の集中を切らさないよう、部屋の隅で座り込む。
もう少しで、大きな大会があるらしい、そのために頑張るのだと俺たちに嬉々として話してくれたのをよく覚えている。
「自分の絵で少しでも多くの人を笑顔にしたい」
そんな、子供みたいな夢。
最初は笑って無理だとおもったけど、
顔を絵の具で一杯汚して。
入賞しなくて悔しいってたくさん涙流して。
褒めてもらったら幸せそうに笑って。
何枚も何枚も、描き続けて悩んでる。
ちょっとだけ、応援したくなったんだ。
諦めず頑張る君に憧れた。
「できたっ、先生見てよ力作だよ」
朝日が昇って、彼女の髪を照らす。
あぁ、そんなに顔を絵の具で汚しちゃって。
せっかくの顔が台無しじゃない
だけど。
「なぁ〜」
中々素敵な絵じゃないの、カッコいいよ。
少しでも伝わるように、一つ鳴く。
弟者も兄者も知らない。
この秘密の時間が、楽しみだったりもするのだ
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和市(プロフ) - そろそろまた、お話し載せるかと…、お話しか、新作か… (2018年5月21日 23時) (
レス) id: 44e4c00f72 (このIDを非表示/違反報告)
和市(プロフ) - んっふふw書いてるとき、楽しかったです。いやぁラスト番外編で書こうかなぁ。 (2018年4月24日 21時) (レス) id: 9bbeddd50b (このIDを非表示/違反報告)
和市(プロフ) - もしかしたら、と言いますか、読みづらいかと…。リハビリを言い訳にもできますが…精進ですね！ (2018年4月14日 21時) (レス) id: 9bbeddd50b (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 和市さん» いえいえ！！はい！これからも楽しみにしてます！q(^-^q) (2018年3月26日 22時) (レス) id: fead2c36b6 (このIDを非表示/違反報告)
和市(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます！そのように言って頂けると、作業が捗ります。まだまだリハビリなので拙いところもありますが、今後も読んでいただけたらと思います！ (2018年3月26日 22時) (レス) id: acdc7c7eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和市 | 作成日時：2018年3月21日 5時
