赤い鳥居と彼岸花(終 ページ14
「おはよ…じゃないよな………この時間だったら」
目が覚めると、其処は神社のベンチの上で、膝枕をされていた。
目の前には赤い目が特徴の男性がこちらを優しく私を見ている。
「…思い……出せなかったんです。本当に本当に。」
「うん」
"松村夏美"私の従兄妹で、小学生で、明るくて。
数週間前"交通事故"で亡くなった私の従兄妹
都合よく消されていたその記憶。
あの鳥居で、響いた恐れはそれだった。
____いってはいけない____
あれは"行く"ではなかった。
________逝ってはいけない____
幼い、私の中の宝物。
小さい頃辛い思いをした私。
だからこそ、夏美ちゃんには幸せになってもらいたかった。
夏美ちゃんが、亡くなったと聞いて。
最後にと思ってきたのがこの夏祭りだった。
「……寂しかったんだろうな、だからこそ春を……君から都合の悪い部分を消して連れて逝こうとした」
フワリと頭をゆっくりと撫でられる。
「メロさんが教えてくれたから、助かったけど。今度から警戒してくれよ？じゃないと俺が、あ…兄と先生に怒られるから」
何故か、知らない彼の事。
あの時出会った"彼"と似ている気がして。
そんな時、彼は目を瞑りそうな私に微笑みながら。
「夏美ちゃん、最期にいってたよ、「探してくれてありがとう、迷惑かけてごめんなさい」って」
あぁ、どうしよう。
涙が止まらなくなる。
そう思いながら、私は不思議と意識を夢へと落とした。
「あの、子供連れてったぞ」
眠った彼女を確認してからか、影から一人の男性が出てくる。
着物を着た彼は、風貌に似合わない桃色の髪をしていた。
「ありがとう、メロさん」
ホッとしたかの様に赤い目の男性は笑う
「おぅ、それよりお前大丈夫か？」
「え？」
「さっきから、お前の携帯鳴りまくってるけど」
クスリと嫌な笑みを浮かべる着物の彼。真っ青になった赤目の男性はため息を一つ吐く。
「現実逃避してたんだよ、メロさんひどい」
「どれだけ、赤かろうと彼岸花が隠してくれるわ、心配かけてんだし腹くくれ、バーカ」
そういって、笑う彼も。
青ざめる彼も、その口は口角を上げていた。
彼女を救えたのなら、少しくらい痛いのは我慢しよう。
赤目の男性は頭の中でそう思った。
しかし、彼は知らない。
おひいさん(お姫様)を膝枕する彼の姿を、
着物の男性が
ゲスい笑みを浮かべ携帯で写真を撮り。
背に般若を浮かべる二人に送ったことを。
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和市(プロフ) - そろそろまた、お話し載せるかと…、お話しか、新作か… (2018年5月21日 23時) (
レス) id: 44e4c00f72 (このIDを非表示/違反報告)
和市(プロフ) - んっふふw書いてるとき、楽しかったです。いやぁラスト番外編で書こうかなぁ。 (2018年4月24日 21時) (レス) id: 9bbeddd50b (このIDを非表示/違反報告)
和市(プロフ) - もしかしたら、と言いますか、読みづらいかと…。リハビリを言い訳にもできますが…精進ですね！ (2018年4月14日 21時) (レス) id: 9bbeddd50b (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 和市さん» いえいえ！！はい！これからも楽しみにしてます！q(^-^q) (2018年3月26日 22時) (レス) id: fead2c36b6 (このIDを非表示/違反報告)
和市(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます！そのように言って頂けると、作業が捗ります。まだまだリハビリなので拙いところもありますが、今後も読んでいただけたらと思います！ (2018年3月26日 22時) (レス) id: acdc7c7eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和市 | 作成日時：2018年3月21日 5時
