時間の限り。2

日高光啓side ページ24

Aに誰？と聞かれた。


こんなにも悲しくなるなんて思ってなかった


Aが俺のこと忘れる


そんなの嫌だ。









上野「やっと見つけた」



光啓「え？」



上野「日高くん、Aちゃんが探してるよ」



光啓「え…？」



上野「日高くんの名前ずっと呼んでるよ。大丈夫。まだ、覚えてるから。」









俺は全力で病室まで走った


俺逃げてんじゃん


逃げないって決めてたのに









ガラガラー！









光啓「A！！」



『光啓くん…！』









俺はAを思いっきり抱きしめた









『ごめんね…光啓くん…私…光啓くんのこと思い出せなかった…』



光啓「ううん…！いいんだよ、ごめんな。Aごめんな」



『光啓くん……怖いよ…』



光啓「え…？」



『光啓くんのこと忘れて死んじゃうことが……
忘れたくないよ……忘れるくらいなら覚えてるうちに死んじゃった方がいいよ……
光啓くん…大切な人なのに…』



光啓「A…！！」



『嫌だ…！！！光啓くんのこと忘れたくないよ…！！殺してよ…！！！殺してよー…！！』









Aは自分の腕に付いている点滴を引きちぎった









光啓「A！ダメだよ！！A！！」



『光啓くん…！うぁぁぁぁーん泣』



光啓「A…大丈夫。大丈夫だから。」









俺はAを抱きしめ2人で泣いた


病室には2人の鳴き声が響いていた

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