人気沸騰中の女優はなーくんの妹でさとちゃん推し?!

☆動画8☆ ページ10

．




あれからどのぐらい経ったのだろうか？

30分？1時間？

分からない、悩みすぎて分からない。

でもそろそろうちに帰らなくちゃ。

帰って動画撮って、撮り溜めた動画をUPして。

でもその前にマネージャーに明日の仕事の確認しなくちゃいけないな。





『はぁ、気持ちを切り替えて行こう！』





深呼吸して、私は仮にも演技派女優って言われてるんだから！

大丈夫、やれるぞ私!!







ガチャ






『すみません、いろいろお騒がせしました』



莉･う「Aちゃん、大丈夫(ですか)?!」



『はい、もう大丈夫です！』



こ「あのさぁ〜、その敬語何とかなんないの？」



『え、でも…私、すとぷりのファンでもあるし』



ジ「それを言うたらAちゃんの方が人気沸騰中の女優やん」



『それはそうですけど…』



こ「はぁぁ…さとみくんからお願いすれば言う事聞くんじゃない？」



さ「そう？」



『…っ！』





さとみくんの声でビクッ、と身体がしてしまう。

顔には出てないはず。

…やばい、顔が見れない！


そんな焦る私とは裏腹に、さとみくんは私の傍まで来ていて。

顎をくいっ、と指であげて呟く。






さ「ねぇ、Aちゃん。敬語無しで話して欲しいんだけどさ…出来るよね？」





ちょ、今なに起きてるの？顎クイ？

さとみくんの端整な顔がすぐ近くにあって、あの素敵なイケボが耳の近くで聞こえて…。

もうキャパシティオーバー所じゃないよ。

もう爆破しそう。






さ「あれ？Aちゃん？」



『はっ！…か、考えておきますぅ！』



私はなけなしの理性を振り絞り、さとみくんから離れるとコートとバック･帽子を掴んで。





『私、今日は帰ります！ありがとうございました!!』





帰らねば、ここから今すぐに！





な「あっ、A!!送って行く。みんなA送ってくるからお留守番お願いね」



「「「「はーい、行ってらっしゃい!!」」」」



さ「またね、Aちゃん」







またね？

またね、なんてないよ!!

当分はさとみくんの動画とかは見ないようにしなくちゃ、私が落ち着くまでは。






な「お待たせ、それじゃ行こうか」






なーくんはそう言うと、私の手をとり歩き出す。

昔と変わらない温もりに私の心は少しだけ落ち着いた気がした。




．

続きは後でUPします!!
2020/01/03 桃色もんね

★動画9★→←★作者から★

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す