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隣に行っていい?ってきける距離にいて ページ5







『…っ、うぁ…はぁ、あ』



必死になって声を抑えながら泣く彼女の姿

なんで?

どうしてAは泣いているの?



『ダメ!』


「っ!」



とにかく彼女の元へ行こうとするとストップをかけるAの声



『こっちに来ないで、』


「なんでだよ」


『ダメなの…ジェシーとは一緒にいられないの』


「だからなんで!!」


『やっぱり…無理なんだよ』



ボロボロと涙を流す赤く充血したAの目は強すぎる


なんで

なんでこんなことになったんだ?


そう思っているうちに彼女は遠くへ行ってしまう




「おい!まて!!まって!!」



くそ!!なんで足がうごかねぇんだよ!



「まって!!A!!」









「…っ!!」


息苦しさに目を開けると見慣れた天井


頭が真っ白になりながらドクドクと嫌に早い心臓が身体中に響く



「やっば…夢か」



額にはうっすら汗をかいていた



「…てかAどこ行った…?」



久しぶりに2人合った休日だからってゆっくり何もせず陽気な天気にうとうとしながら2人ベットに入ったのを覚えてる


それなのに俺の隣にはAは居なくて



「まさか…!」



夢の続きのように彼女は出てってしまったのかもしれない




勢いよくベットから起き上がり


寝室のドアを開けると




「っ?!」



ぶわっと暖かい空気が吹き抜ける




あれ…窓なんて空けてたっけ…




そよ風に誘われて窓の方へ移動すると


カーテンに揺られ、柔らかい光の中、ふわっと笑う君がいた



『あ、起きたの?』




ソファの死角で見えなかったが、フローリングに直に座って春風に靡く


夢で見た彼女とは違う


穏やかな表情




「なぁ…」


『ん?』


「そっち行っていい?」




そういうと不思議そうに目をぱちくりさせた後、へにゃっと目尻を垂れさせる



『なにそれ、いつも何も言わなくても隣に座るじゃん笑』



自分の隣の床をポンポン、と叩いていいよ、と合図をする




その雰囲気が

声が

この関係が

泣きたくなるぐらい幸せで




日の光を浴びていつもより暖かい彼女を抱きしめた




『えー?もしかして寝ぼけてる?笑』




俺の腕の中で大人しくケタケタ笑う彼女

優しく背中に回った手は子供をあやすように控えめに俺を撫でた




震えるぐらい、君を愛してる


小さく脆い平和の中で、俺たちは抱き合っている







スクープ泣かせですよね。→←この関係はまだ秘密です。



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作者名:菜兎 | 作成日時:2021年1月29日 3時

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