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彼のいない部屋 ページ23

「鈴さん!!!」


鈴「うぁぁ!?」


「...鈴さぁ〜ん...」


鈴「え、何々どしたん」


台本を受け取りに事務所へ来た私は
丁度ソファーで休憩していた鈴さんに抱きついた


鈴「うわ!ちょ、くっつくなって!」


「...さすがに寂しくなってきた」


鈴「あー...孝宏?」


「コクコク」


櫻井さんが海外に行って今日で6日
予定では明後日帰ってくるのだけれど...


「寂しい...」


鈴「だからって俺に抱きつくなて...笑」


「すみません...」


鈴さんから離れ隣に腰を下ろす
電話したのはあの一回きり。凄く前に感じる...


鈴「あと2日やから...な?
帰ってきたらいっぱい甘やかしてもらい笑」


「はい...そうします...」


***


台本を受け取り事務所を後にした私は
ため息をつきながらタクシーに乗り込んだ


「...あ、運転手さんすみません」


私は行き先を変更し、とあるマンションへ向かう
使い慣れていない鍵を取り出し部屋の中に入った


「櫻井さんの匂いがする...」


鈴さんに慰めてもらったけれどやっぱり寂しくて
もらった合鍵で櫻井さんの家にきてしまった

明日は午後からだし...少しだけならいいよね...?

電気をつけソファーに腰を下ろし辺りを見渡す


「...何か変態みたい笑」


そう言いつつも立ち上がる気はなく、ふと横を見ると
櫻井さんお気に入りのパーカーが置いてあった


「何でこれだけ置きっぱななの...笑」


恐る恐る手に取ると、あの甘い香りがして
私はそっと羽織るように肩へかけた

サイズが大きくてマントみたいになってしまう


「落ち着く...」


そのまま寝転びクッションに頭を預ける
何か...抱きしめられてるみたい...


「ん......」


あまりに心地よくて、そのまま眠りについてしまった
会いたい...な......っ

_______ガチャリ




櫻「ただいまーっと...あれ?電気ついてる...」

本当の帰国日→←電話越しの声



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作者名:momoiro | 作成日時:2021年3月31日 21時

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