相性【桃】 (ページ26)

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epi.24 ページ26

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｢海だー ! ｣

車を降りて浜辺を少し散歩する
潮風が気持ち良くて履いていたサンダルを手に持って砂浜を歩く

佐｢俺達しかいないね～｣

｢まだ肌寒い季節だからね～｣

ふわふわとした会話をしながら二人並んで歩く
大ちゃんもサンダルを脱いで子供みたいに走る

こんな最高な時間あの頃には想像出来ただろうか … ?

ずっと好きだった幼なじみに好きだと言われ
甘い雰囲気になることもあって

最近の私充実し過ぎて本当にどうにかなりそう

佐｢ A ちょっとここ座ろ～ ? ｣

大ちゃんが指さしたのは白いベンチ

こんなとこにベンチあったんだなんて思いながら大ちゃんの隣に座る

佐｢水平線ってやつ ? 綺麗だねぇー｣

｢うん凄く綺麗｣

佐｢ずっと聞きたかったんだけどさ､大学ん時Aは俺のことどう思ってた ? ｣

大ちゃんの急な質問に答えに困った
いつになく真剣な顔で聞いてきて大ちゃんは正直に言ってくれたから私も正直になろう

｢好きだったよ｣

私がそう言うと｢え!?｣って驚く大ちゃん

｢自分で聞いてきた癖に何で驚くの｣

佐｢や … 幼なじみにしか見れなかったって言われると思って｣

大ちゃんはぶつぶつとひとりごとを言っている
まあ当時の私は大ちゃんを好きな素振りなんて絶対見せなかったし本当に気付かなかったんだろうな

佐｢じゃあさ今はどう ? ｣

その質問はずるい
答えなんて私の中では決まってるのに …

佐｢俺はやっぱり昔も今も Aが好き｡ Aを見るとね胸がこうぎゅううってなって苦しくなるくらい｣

一緒だよ
私も大ちゃんを見ると胸がぎゅううって苦しくなる
でも …

｢ … 私ね少し恋愛にトラウマ？みたいなものがあって､だからもう少しだけ待って欲しい｣

佐｢そっか､まだ1週間しか経ってないし俺はいつまでも待てるから Aが今ならいいよっていう時に俺の小指握ってくれる ? ｣

｢小指 ? ｣

｢やってみて｣って大ちゃんが言うから大ちゃんの小指をきゅっと握ってみた

佐｢ふふいいね､キュンってする｣

｢なにそれ笑､ありがとう大ちゃん｣

その後は他愛もない話をしながら今日のデートは終わりを迎え
マンションに着いて別れ際

佐｢またデートしてくれる ? ｣

おずおずと聞いてくる大ちゃんに｢私もまたしたい｣って言えば飛び切りの笑顔で帰って行った

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